情報・通信

CCC21、第1回アプリケーション委員会を開催

2018313日】

 中央コリドー高速通信実験プロジェクト推進協議会(CCC21)は、3月9日に西新宿小林ビル(東京都新宿区)で平成29年度第1回アプリケーション委員会を開催した。
 開会挨拶を中村昭則主査が行った。「昨今、遠隔医療に関する大きな動きがあって、特に福岡市博多区で『スマホ診療』といったニュースが報道されるなど総務省、厚労省も大きく動いているところだと思う。私も日本遠隔医療学会の運営委員で、オンライン診療というのが出てきて、用語の違いには戸惑うこともあるが、遠隔に関する医療がどんどん大きくなるだろうと思う。課題も出てきて技術的な問題、診療における個人情報の問題、セキュリティの問題など取り上げられることもあると思う。「私は医師の立場から、皆さまがどのように考えていったらよいかこの後、講演する」と述べた。
 続いて、甕昭男副会長が講師を紹介した。
 続いてプレゼンテーションを行った。「院内外遠隔アラーム通報実験と将来への課題」と題して、独立行政法人国立病院機構まつもと医療センター神経内科部長、信州大学特任教授の中村昭則氏が講演した。「各種小型生体モニターなどにより、ざまざまな医療機器の在宅導入が進んでいる。ところで、例えば、人工呼吸器での在宅利用における問題として介護者の負担が大きい、介護者・支援者の心的負担が大きいなどが挙げられる」と話して、人工呼吸器のアラーム遠隔通報システムの仕組みを紹介。アラーム遠隔配信人工呼吸器の実用化では「人工呼吸器の出力データは独自仕様。出力データフォーマットの標準化、共有化が行われていない、アラーム・機器情報の外部配信のための共有化ガイドライン策定も必要だ」と課題を述べて、院内人工呼吸器のアラームの複数伝送化構想を指し示した。実証実験をまつもと医療センターで実施したという。医療機器への障害等はなかったとして、ここからの考察で、人工呼吸器のアラームおよびモニタリングの複数伝送は、引き続き院内での運用を行い、その問題点などを把握・集約して改良していきたい―などと結論づけた。
 「在宅医療の高度化に向けたICT利活用の取組」と題して、キッセイコムテック常務取締役企画管理本部本部長の城取学氏が講演した。モニタリング情報をサーバーで解析し、緊急性等に応じて的確に通報する、同社の人工呼吸器アラーム通報システムを紹介した。クラウドで情報を管理し、電話・SNS等で通報。サーバーから通報をプッシュ通信で受け取り、アプリで鳴動するとともにアラーム情報を表示。複数端末に通報、一斉解除などが特長だ。
 「予防接種実施判定支援システムについて」と題して、NECネッツエスアイ株式会社営業統括本部パブリック営業推進本部営業推進部の長谷川嘉彦氏が講演した。これは、同社の「ネッツワイヤレス」(MVNO網)を活用した自治体向けの誤接種防止と事務改善を行うもの。ICカードによる本人認証と接種履歴の突合により、誤接種、二重接種を防止。お知らせメールで接種漏れを防止。医療機関側のネットワーク構築等は不要。接種実績はリアルタイムで医療機関からサーバーに送信・登録される。医療機関と自治体間はMVNO回線閉鎖域網を利用した専用ネットワークを構築しセキュリティを担保している。
 「『IoTハイブリッドセンサーネットワーク』および『高度センシング技術』による医療・介護支援システムの取組みについて」と題して、YRP研究開発推進協会事務局次長の柘植晃氏が講演した。柘植氏は冒頭、IoTにおけるワイヤレスセンサーネットワークの重要性を述べて「あらゆるセンサー、機器をネットにつなげるワイヤレスセンサーネットワークの需要が拡大している」とし、LPWA(ロー・パワー・ワイド・エリア)の方式を比較。すなわちLoRa、Sigfox、Wi―SUNでそれぞれ優位性があると説明した。続いて「IoTハイブリッドセンサーネットワーク」および「高度センシング技術」による医療介護支援基盤の研究開発の取り組みについて述べて、レーダー技術を応用したバイタルデータ高度センシング技術、屋外広域位置情報センサネットワーク小型端末技術等を紹介した。
 後半は、スマートIoT推進フォーラムのテストベッド分科会で横須賀市におけるLPWAテストベッドを検討。当日、発表された報道資料も示して、LPWAテストベッド検討体制を紹介した。「ハイブリッドLPWAテストベッドは、市街地、起伏エリアなど全く同一条件で複数方式の通信実験が行える。YRPを中心に横須賀市内複数個所の『ハイブリッドLPWA基地局』を新設する」と話した。
 特別講演として、「医療ビッグデータの活用について」と題して、厚生労働省保険局医療介護連携政策課保険システム高度化推進室長の赤羽根直樹氏が講演した。赤羽根氏は国内の医療制度概要を述べた後、医療ICT化の進展と行政の取り組みを挙げて、平成23年度から全てのレセプトについて、オンライン提出を原則義務化したとし、電子レセプト請求普及状況から「現在は歯科を含め概ね電子化がなされた」という。続いて、レセプト情報・特定健診等情報データベース(NDB)の概要を説明。現在、約8年分を格納し、レセプトデータで約128億8400万件を収載している。身近な話題では特定健診・特定保険指導データの諸内容が挙げられた。特定保険指導による特定健診の検査値への改善効果も示された。そして、NDBデータ提供から7年目に突入。これまでに167件のデータ提供を承諾し、提供による成果の具体例もあるという。最後に第2回NDBオープンデータ集計の対象を詳細に説明し「NDBのレセプト等情報の抽出状況では、29年4月からの『NDB(関西地区)の稼動により、データ抽出件数は増加した。稼動前は増加傾向だった抽出待ち件数は減少した」と述べた。
 最後に今後の予定などを甕副会長が述べた。

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