特殊詐欺被害に向け認証機構を設立

 電話番号を悪用した特殊詐欺被害への対応として、電気通信事業者関連5団体(一般社団法人テレコムサービス協会、一般社団法人電気通信事業者協会、一般社団法人日本インターネットプロバイダ協会、一般社団法人日本ケーブルテレビ連盟及び一般社団法人日本ユニファイド通信事業者協会)は、10月1日付で電話サービス提供事業者向けの新たな優良事業者認証制度を運用するため、電話事業者評価機構(Elite Telecom Operator Certification body、ETOC)を設立した。
 総務省によると、電話サービス提供事業者は現在、総務省から一般社団法人電気通信事業者協会及び一般社団法人日本ユニファイド通信事業者協会に通知された「特殊詐欺に利用された固定電話番号等の利用停止等のスキーム」に基づき、警察からの要請に応じて特殊詐欺に利用された電話番号を利用停止にする等の対応を行っている。このような取組は一定の成果が得られているものの、近年では、電話サービスの卸提供を受けた事業者自身が、特殊詐欺に使われると知りながら電話回線(電話番号)を提供したとして、詐欺ほう助の罪で逮捕・起訴されるといった事案も発生しており、電話番号が特殊詐欺に悪用される実態は複雑化している。
 こうした状況を背景として、電気通信事業者関連5団体は、電話サービス提供事業者向けの新たな優良事業者認証制度を運用するため、電話事業者評価機構を設立した。電話事業者評価機構は、犯罪対策等を含めた電話サービス提供事業者の体制・取組を評価し、優良事業者としての認証を実施。これにより、電話サービスの卸取引を行う事業者や電話サービスを使用する利用者が、契約時に優良事業者を選択することが容易になり、特殊詐欺に関与しようとする事業者が、電話番号を使って電話サービスを提供することがしづらくなると期待されるとしている。
 特殊詐欺に関与する組織に渡った電話番号は、利用停止の措置や関係者の逮捕に伴う事業停止等により一定期間使用されなくなるケースもあり、国内の有限希少な資源である電話番号の効率的な利用の観点からも問題であると認識されている。
 総務省では、このような電気通信事業者関連団体の自主的な取組が、電気通信市場の健全な発展に寄与していくことを期待しているという。同省としても、引き続き、警察庁や関係機関と連携し、電話番号の特殊詐欺への悪用防止のための取組を進めていくとしている。

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kobayashi
主に行政と情報、通信関連の記事を担当しています。B級ホラーマニア。甘い物と辛い物が好き。あと酸っぱい物と塩辛い物も好きです。たまに苦い物も好みます。