総務省など、3年の不正アクセス行為の認知件数は1516件

警察庁、総務省及び経済産業省は、「不正アクセス行為の禁止等に関する法律」(平成11年法律第128号、不正アクセス禁止法)第10条第1項の規定に基づき、不正アクセス行為の発生状況及びアクセス制御機能に関する技術の研究開発の状況を公表した。 電気通信回線を通じて行われる電子計算機に係る犯罪の防止及びアクセス制御機能により実現される電気通信に関する秩序の維持を図るためには、不正アクセス行為が行われにくい環境の構築が必要となる。 このため、不正アクセス禁止法第10条第1項に基づき、警察庁、総務省及び経済産業省は、不正アクセス行為の発生状況及びアクセス制御機能に関する技術の研究開発の状況に関する情報を警察庁、総務省及び経済産業省の3省庁で公表することとしている。 不正アクセス禁止法(抜粋)では『第10条 国家公安委員会、総務大臣及び経済産業大臣は、アクセス制御機能を有する特定電子計算機の不正アクセス行為からの防御に資するため、毎年少なくとも一回、不正アクセス行為の発生状況及びアクセス制御機能に関する技術の研究開発の状況を公表するものとする。2・3(略)』となっている。 公表された不正アクセス行為の発生状況で令和3年1月1日から同年12月31日までの不正アクセス行為の発生状況は次の通り。 ◇不正アクセス行為の認知状況①認知件数=令和3年における不正アクセス行為の認知件数は1516件であり、前年(令和2年)と比べ、1290件(約46・0%)減少した。なお、ここでいう認知件数とは、不正アクセス被害の届出を受理して確認した事実のほか、余罪として新たに確認した不正アクセス行為の事実、報道を踏まえて事業者等から確認した不正アクセス行為の事実その他関係資料により確認した不正アクセス行為の事実中、犯罪構成要件に該当する被疑者の行為の数をいう。 次に不正アクセスを受けた特定電子計算機のアクセス管理者別の内訳をみると、令和3年における不正アクセス行為の認知件数について、不正アクセスを受けた特定電子計算機のアクセス管理者別では一般企業が最も多く1492件だった。行政機関は15件、プロバイダは5件、大学・研究機関は4件だった。 令和3年における不正アクセス行為の認知件数について、認知の端緒別に内訳を見ると 「利用権者からの届出」が最も多く716件、次いで「警察活動」が578件、「アクセス管理者からの届出からの届出」が209件の順となった。 令和3年における不正アクセス行為の認知件数について、不正アクセス後に行われた行為別に内訳を見ると「インターネットバンキングでの不正送金等」が最も多く693件、次いで インターネットショッピングでの不正購入が349件、メールの盗み見等の情報の不正入手 が175件の順となった。  不正アクセス禁止法違反事件の検挙状況 次に検挙件数等では、令和3年における不正アクセス禁止法違反事件の検挙件数・検挙人員は429件・235人であり、前年(令和2年)と比べ、180件減少し、5人増加した。 検挙件数・検挙人員について、違反行為別に内訳を見ると 「不正アクセス行為」が408件・227人といずれも全体の90%以上を占めており、このほか「識別符号取得行為」が4件・2人、「識別符号提供(助長)行為 」が9件・8人、「識別符号保管行為」が7件・6人 「識別符号不正要求行為 」が1件・1人であった。  令和3年に検挙した不正アクセス禁止法違反事件に係る被疑者の年齢は 20~29歳が最も多く87人。次いで「14~19歳が60人、30~39歳が43人の順となった。令和3年に不正アクセス禁止法違反で補導または検挙された者のうち、最年少の者は12歳 、最年長の者は69歳であった。