関東総通局など後援 「ヨコスカ×スマートモビリティ・チャレンジ」

 ヨコスカ×スマートモビリティ・チャレンジ推進協議会(会長・中村文彦横浜国立大学理事・副学長)は、1月24日から26日までの3日間、横須賀リサーチパーク(神奈川県横須賀市光の丘)で、先端的なモビリティを体感できるデモンストレーションや展示を行う「ヨコスカ×スマートモビリティ・チャレンジ2019」を開催した。後援は総務省関東総合通信局、国土交通省関東運輸局、神奈川県、国立研究開発法人情報通信研究機構、国立研究開発法人海洋研究開発機構、特定非営利活動法人ITS Japan。  展示・デモンストレーションの会場はYRPセンター1番館内、NTTドコモR&Dセンター1番館、YRPエリア内公道。シンポジウムはNTTドコモR&Dセンター1番館ホールで行われた。 産学官で構成するヨコスカ×スマートモビリティ・チャレンジ推進協議会(2018年発足、事務局・横須賀市、横須賀テレコムリサーチパーク、YRP研究開発推進協会)が、地域のニーズに合わせた様々なスマートモビリティ(賢く優れた移動性)を展開して、社会的課題の解決と新規ビジネスを創出する「ヨコスカ×スマートモビリティ・チャレンジ」の取り組みを広く周知し、技術サービス分野から利用分野まで幅広い人たちとともにイノベーションを起こすきっかけとするためにイベントを開催した。 日本初となる公道での時速30㌔㍍のレベル4の自動運転(限定地域での人が介在しない緊急停車等を含む自動運転)などスマートモビリティに関するデモンストレーションや展示、夢のあるまちの未来像を描く講演などのシンポジウムなどが行われた。 自動車・バスの公道での自動運転で主な体験試乗は▽グリーンスローモビリティ(電動小型低速車)出展者:京浜急行電鉄▽5G時代の自動運転(無人自動運転)出展者:NTTドコモ▽自動走行車両(自律型モビリティシステム)出展者:日本電信電話―など。 1月24日は、招待者、報道関係者向けのプレビューデーとした。「ヨコスカ×スマートモビリティ・チャレンジ2019」開会式が24日午前10時からYRPホール(横須賀市)で開かれた。開会挨拶を田中茂横須賀市副市長が行なった。 来賓挨拶を山下朝文総務省関東総合通信局情報通信部長が行なった。 「ここ横須賀は、1854年に久里浜にペリーが上陸し2台の電信機を幕府と天皇に献上したところから、その無線通信の歴史が始まった。その後、海軍を中心とした技術開発が進み、戦後は、NTT横須賀通信研究所やここ横須賀リサーチパークを中心として、今も無線通信技術の研究開発の中核を担っている。『ヨコスカ×スマートモビリティ・チャレンジ』の取り組みも、この横須賀で生みだされた技術を社会実装して、まちづくりに生かしていくというチャレンジな取り組みであり、この無線通信の歴史の転換点に残るものとして期待しているところだ。総務省でも昨年、『地域力強化プラン』を発表し、急速な人口減少・高齢化などで疲弊する地方の活力維持のため、IoT、5G、4K・8Kなどの革新的技術により、持続可能な経済発展と社会的課題の解決を両立していく新たな社会『Society5・0』の実現に向けて取り組んでいるところだ。このほか、地域課題の解決や社会展開、若手・中小企業の育成を図るため、研究開発支援策を用意している。次世代の支援策としてご活用いただければと考えている。関東総合通信局は、IoT・ICT技術による地域の課題解決、地域の活性化のため、本日参加している方とともに横須賀の新たなまちづくりをお手伝いしていきたいと思います」と述べた。 来賓挨拶を北廣雅之経済産業省関東経済産業局地域経済部長が行なった。 来賓挨拶を久保麻紀子国土交通省関東運輸局交通政策部長が行なった。 続いてヨコスカ×スマートモビリティ・チャレンジ概要説明を甕昭男YRP研究開発推進協会会長が行なった。 24日午前10時からはビジネスアイデアコンテスト公開2次審査会を開いた。事前に募集したスマートモビリティのビジネスアイデアから選考された13組の1次審査通過企画のプレゼンテーションと審査員による質疑応答による審査会を開いた。 また、自動走行デモンストレーション・体験乗車、展示が行われた。 24日午後2時からはドコモ1号館プレゼンテーションホールでキックオフセレモニーが開かれた。 来賓挨拶を佐藤ゆかり総務副大臣が行なった。「このイベントは産官学で構成される協議会がここYRPにおいてスマートモビリティの開発、実証や社会展開などを目指してチャレンジ活動の一環として行われるとうかがっている。皆さまご承知の通り、わが国は2008年をピークに人口減少の局面に入っている。高齢化、少子化の進展により、特に地方においてその影響が大きいわけで地域経済や暮らしの水準を維持していくことが今や大きな課題になってきている。横須賀市においても近年、人口減少が大きな課題になっているとうかがっているところだが、平坦な土地もないと聞き、丘陵に住宅が宅地として利用されている中で、高齢者の方々の移動手段の確保が課題となっていると聞いている。一方、横須賀市において自動車工場が関連部品の製造企業などの産業もあって、さらにここYRPには情報通信研究機構をはじめとして情報通信技術の研究所、企業も集積している。これらのポテンシャルを活用して自動運転やパーソナルモビリティを実現することで、誰もが暮らしやすい地域を実現し、全国のモデルになってほしいと思うところである。総務省としても『Society5・0』というこのデジタル変革時代において、情報通信技術の研究開発から研究成果の社会実装、そしてグローバル展開までを戦略的に進めるために石田総務大臣主催の有識者懇談会を開催して議論を進めているところだ。横須賀市が進めているICTの活用に関するさまざまな取り組みを参考にしながらさまざまな検討を進めていきたいと思う。横須賀市をはじめとして関係の皆さま方がこれから始められる社会実装、社会展開がスムーズに進められるよう側面からも支援をしていきたいと思う。ヨコスカ発の取り組みや技術が日本全体ひいては世界に展開をしていただきますことに期待をしたい」と述べた。 来賓挨拶を黒岩祐治神奈川県知事が行なった。「神奈川県は、かねてより相模ロボット産業特区によって、ロボット産業で世界最先端を目指してがんばってきた。その中でどこよりも早く自動運転走行システムの実証実験を積み重ねてきた。ロボットタクシーなどロボットによるバスの運行、こういったものを積み重ねてきた。この中で、このヨコスカ×スマートモビリティ・チャレンジにつながってきたと実感をしているところだ。急激に進む高齢化社旗亜、人生100年時代にあって、その中で一番大事なことは元気なご老人が最後まで笑顔で笑って過ごすことができる、そんな社会を目指していくことだ。移動ということが大きな壁になっており、そこを最先端のテクノロジーで支えていくことでほんとうに長生きして良かったと笑って過ごすことができる時代が必ず来るに違いない。そういった新しいチャレンジをこの横須賀の場で世界に向けて発信できることがうれしく思う。県としてもしっかり応援していきたいと思っている」と述べた。 来賓挨拶を古屋範子公明党副代表衆議院議員が行なった。 小泉進次郎自民党衆議院議員からの応援メッセージが紹介された。 続いて「横須賀スマートモビリティ宣言」を規矩大義ヨコスカ×スマートモビリティ・チャレンジ推進協議会副会長、上地克明横須賀市長が行なった。 24日午後2時30分からはドコモ1号館プレゼンテーションホールで横須賀市、NTTドコモ、京浜急行電鉄による3者協定締結式が行なわれた。上地市長、古川浩司NTTドコモ取締役常務執行役員法人ビジネス本部長、原田一之京浜急行電鉄社長が登壇した。 また、招待者らの展示体験試乗がYRPセンター1・2号館付近、ドコモ2号館付近、ドコモ駐車場、YRPセンター5号館付近で行なわれた。総務省関東総合通信局の黒瀬泰平局長も体験試乗を行なった。 24日午後3時20分からは京急バスの次世代型バス停の完成披露が行なわれた。スマートバス停見学を上地市長、鈴木茂樹総務審議官、原田社長、平位武京浜急行バス社長が行なった。5G、LPWAの通信実験に利用できる電源等の配線、機器の設置が容易に可能となっている。デジタルサイネージ(108㌢㍍、横60㌢㍍、Wi―Fi接続を利用した画面表示が可能となっている。 24日午後4時15分からはビジネスアイデアコンテストの表彰式が行われた。「無線給電で支援するパーソナルモビリティのシェアリングサービス」(林寛将さんら8名)がグランプリを受賞した。