国交省航空局、5年度予算で空飛ぶクルマ対策等
国土交通省の令和5年度航空局関係予算(案)には、航空イノベーションの推進に、空飛ぶクルマ・ドローンの安全対策に5年度予算額・非公共予算1億3000万円(前年度予算9000万円)、空港整備勘定・再掲12億円(同30億円)、地上支援業務等への先端技術の導入促進に5年度予算額2億円(同1億円)、航空機・次世代航空モビリティに対する確実な安全性審査・実用化の促進に5年度予算額・非公共予算8000万円(同8000万円)が盛り込まれた。 空飛ぶクルマ・ドローンの安全対策事業「空飛ぶクルマの社会実装に向けた環境整備」では、都市部での送迎サービス、離島・山間部での移動手段、災害等の緊急搬送などの活用が期待される“空飛ぶクルマ”の実現に向けて、『空の移動革命に向けたロードマップ』に基づき、2025年の大阪・関西万博における商用運航の開始を目標として、操縦者の技能証明に関する基準、離着陸場の設備要件、低高度における安全・円滑な交通管理等に関する環境整備のための調査、整備等を実施する。 空飛ぶクルマの社会実装に向けた環境整備のための調査として、操縦者技能証明制度に係る調査・検討及び離着陸場の整備要件に関する制度整備のための調査・検討等を、低高度における安全・円滑な航空交通のための体制整備では、空飛ぶクルマに対する情報提供・モニタリング等のための施設整備を行う。 「有人地帯での目視外飛行(レベル4飛行)の活性化に向けた環境整備」では、ドローンの有人地帯での目視外飛行(レベル4飛行)の活性化に向け、運航管理システム(UTMS)の導入やドローンの衝突回避機能に関する安全基準の検討等を通じ、さらなる安全の確保を図る。レベル4飛行は、機体認証、操縦ライセンスを得て、運航ルールを遵守し、国土交通大臣の許可・承認を得れば可能である。 レベル4飛行の活性化に向けた無人航空機のさらなる制度設計のための調査・検討として、諸外国の運航管理システム(UTMS)の導入・実証状況の調査、UTMSに関する要件等の整理・検討や、衝突回避機能に関する安全基準及び審査手法策定のための実証試験等を行う。 また、ドローン情報基盤システム(DIPS)の機能追加及びレベル4飛行に係る制度の運用として、ドローン飛行の安全性向上等のため、ユーザーが通報する飛行計画等を踏まえたリスク判定を行い、必要な注意喚起を行う機能の追加等を、レベル4飛行に対応した無人航空機ヘルプデスクの設置、システムの保守・維持管理等を実施する。 地上支援業務等への先端技術の導入促進事業「地上支援業務への先進技術等の導入」では、ポストコロナにおける外国航空会社等の需要に対応するため、令和2年1月に策定したグランドハンドリングアクションプランに基づき、先端技術等の活用を通じた空港地上支援業務(グランドハンドリング)の生産性向上を実現するための実証調査を実施する。 人工知能(AI)技術を活用した空港地上支援業務の効率化として、AI技術を活用し、駐車場周辺における地上支援業務を可視化・データ化することにより、業務プロセスを比較・分析し、各空港の特性にあわせたトータルマネジメントによる効率化等を実現する。 「空港運用への無人車両技術の導入」では、令和7(2025)年までに地上支援業務の自動化・効率化に資する無人車両技術を導入するため、必要となる要件(車両技術、インフラ、運用ルール)を整理した導入モデルを構築するとともに、インフラや運用ルールの課題を抽出するほか、空港除雪の省力化・自動化に向けた調査を実施する。 地上支援業務の自動化・効率化として、技術開発と並行し、インフラ・通信環境整備の必要性の確認や新技術に則した運用ルールの策定を行うことによる新技術実用化までの期間の短縮が図れる。空港除雪の省力化・自動化として、運転支援ガイダンスシステム導入の評価結果を踏まえ、令和5年度は除雪装置操作の自動化に向けて実証実験を実施するとともに、自動化に向けて空港除雪車両の仕様検討及び除雪作業の運用ルールの検討を行う。 航空機・次世代航空モビリティに対する確実な安全性審査・実用化の促進事業では、ドローンについて、レベル4飛行の本格的な実施、また、空飛ぶクルマについて、令和7年度中の商用運航の実現に向けて、確実かつ円滑な安全性審査を行う。安全運航を確保するため、引き続きわが国上空等を飛行する航空機への確実な安全性審査、不具合事象への的確な対応等を実施する。
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