信越総通局、信越地域の病院で電波利用状況アンケート

 信越地域の医療機関における電波利用推進協議会(会長・小池健一JA長野厚生連南長野医療センター篠ノ井総合病院統括院長、事務局・総務省信越総合通信局)は、信越地域の病院における電波利用の状況及び電波環境に関する調査を行い、その結果を公表した。それによると、医用テレメータを導入している病院の約57%が何らかのトラブルを経験したと回答した。 この調査は、病院等の医療機関における電波利用の状況や電波環境の管理ルール及び管理体制の実態を把握し、医療機関における適正な電波環境整備を推進する活動に反映するために実施したもの。 新潟県及び長野県が公表している「病院名簿」に掲載されている病院のうち、164病院(新潟県88病院、長野県76病院)から回答があった(2017年1月調査46病院、10月調査118病院)。 主な調査結果は次の通り。 まず、病院内における電波利用の状況で「医用テレメータの導入状況」を聞いたところ、164病院から回答があって、医用テレメータを導入していると回答したのが全体の87・2%、導入予定が0・6%だった。医用テレメータを導入していると答えた病院に対して、無線チャネル管理実施状況(143病院が回答)を聞いたところ、69・0%が管理している、21・8%が管理していないと回答した。同じく医用テレメータを導入していると答えた病院に対して、無線チャネル管理者の設置状況を聞いたところ、同管理者を設置していると回答したのは9・9%、同管理者は設置していないが、同等の役割を持つ担当者を設置していると回答したのが59・2%だった。このうち、無線チャネル管理を行う担当者については臨床工学技士が68・4%と最も多かった(回答数98、複数回答)。次いで外部事業者(メーカー等)で24・5%だった。なお、同管理者を設置していないが31・0%だった。 続いて、医用テレメータを導入していると答えた病院に対して、医用テレメータの電波に関するトラブルの経験(回答数143、複数回答)を聞いたところ、1位が「トラブルは特にない」で42・7%。次いで「距離や建物の問題で十分に電波が届かない」が36・4%、チャネル設定を間違える」が9・1%だった。全体の57・3%が何らかのトラブルを経験していた。 一方、無線LANの利用状況をみると、回答のあった164病院のうち、導入していると回答したのが77・3%、導入予定が1・8%、導入予定はないと答えたのが19・0%だった。無線LANで使用する周波数帯(回答数127)では、2・4GHz帯(IEEE802・11b/g/n)と5GHz帯(IEEE802・11a/n/ac)の両方を使っていると答えたのが53・9%と最も多く、次いで2・4GHzのみを使っているのが23・4%、5GHz帯のみが6・3%だった。 無線LANの用途は1位が医療情報システム用(67・7%)、2位が病院スタッフのインターネット接続用(64・6%)だった(回答数127、複数回答)。無線LANの導入、運用時における電波環境調査の実施では、無線LANを導入する際に実施していると答えたのが47・2%だったものの、実施していないも27・6%あった(同、同)。無線LANの電波に関するトラブルの経験では「距離や建物の問題で十分に電波が届かない」が24・4%、「無線LANにつながらない・つながりづらい」が26・0%、「無線LANの速度が遅い」が12・6%だった。 携帯電話の病院内の使用制限では、164病院中で、一部の場所で使用可が75・0%。院内全ての場所で使用可(制限をしていない)が22・0%だった。