3年度民間放送事業者の収支状況 地上基幹放送事業売上高は8・6%増
総務省は、令和3年度の民間放送事業者の収支状況について地上基幹放送事業者等の3年度の事業収支結果の報告に基づき、収支状況を取りまとめた。地上基幹放送事業者のうちテレビジョン放送事業者127社(コミュニティ放送事業者を除く)は、売上高が前年度比8・6%増(比較対象の前年度との事業者数増減はなし)の2兆579億4200万円となった。営業損益は102・2%増の1573億5500万円となった。最終損益は18・0%増の1255億7400万円だった。 そのうち、テレビジョン放送単営社96社(前年度は95社)の売上高は12・3%増の1兆8668億8800万円、営業損益は98・3%減の1506億6400万円、最終損益は16・2%増の1194億4400万円となった。中波(AM)放送、テレビジョン放送兼営社31社(前年度は32社)の売上高は18・0%減の1910億5400万円、営業損益は262・7%増の66億9100万円、最終損益は71・5%増の61億3000万円だった。 一方、ラジオ放送事業者67社(前年度は66社)の売上高は7・9%増の987億1400万円、営業損益は1億700万円、最終損益は55・4%増の14億7800万円。このうち中波(AM)放送単営社16社(前年度は15社)は売上高が11・5%増の459億8800万円、営業損益が4億4800万円の赤字、最終損益は1億6500万円の赤字だった。短波放送単営社1社の売上高は4・1%増の17億3800万円、営業損益は37・5%増の7700万円、最終損益は106・4%増の9700万円だった。超短波(FM)放送単営社50社の売上高は5・0%増の509億8800万円、営業損益は4億7800万円、最終損益は35・1%増の15億4600万円だった。 これらの総計である地上基幹放送事業者(コミュニティ放送事業者を除く)194社については、売上高が前年度比8・6%増の売上高2兆1566億5600万円、営業損益は110・5%増の1574億6200万円、最終損益は18・4%増の1270億5200万円といずれも増加となった。194社中黒字は151社(前年度146社)、赤字は43社(前年度47社)となった。なお、ラジオ・テレビ兼営の毎日放送が会社分割を行ったことに伴い、前年度との事業者数に変動がある。コミュニティ放送事業者305社(前年度は298社、決算時期が未到来の事業者等を除く)は、売上高が前年度比3・6%増の134億8700万円、営業損益は3億5200万円の赤字となった。最終損益は4000万円の赤字となった。最終損益の黒字は182社、赤字は123社。 衛星系放送事業者(衛星基幹放送事業者及び衛星一般放送事業者)39社については、前年度と比較して衛星放送事業の営業収益は前年度比0・9%増の3418億600万円、営業損益は2・0%増の311億1900万円だった。 有線テレビジョン放送事業者(有線電気通信設備を用いて自主放送を行う登録一般放送事業者〈営利法人に限る〉のうちIPマルチキャスト方式による事業者等を除く)275社(比較対象の前年度は274社)については、ケーブルテレビ事業の営業収益が前年度比0・3%減の4990億3400万円、営業損益は2・7%減の504億1500万円となった。
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