29年度総務省所管補正予算(案)

 総務省は平成29年12月22日、平成29年度総務省所管補正予算(案)の概要を公表した。 【生産性革命】では①政府情報システムの機能強化で13・6億円。電子政府の総合窓口(e―Gov)システムの電子申請を行う際の事前準備を簡素化するなど利便性を向上。政府共通プラットフォームにかかるインシデント対応や機能提供の一部自動化・簡素化を行い、政府情報システムの安定的な処理や迅速な機能提供を実現する。 ②統計データの高度化の推進で13・2億円。統計データの高度化を強力に推進し、高度な利用が可能となる「高度利用型統計データ」 を拡充する。 ③新たな消費指標の開発のためのビッグデータの分析環境の構築で2・2億円。国の消費動向を捉える新たな指標の作成のため、消費動向指数研究協議会の参画企業から提供されるビッグデータの高度分析を行うための基盤を整備する。  ④ディープラーニング翻訳の高度化で50・0億円。ディープラーニングを活用し、多言語音声翻訳の精度を向上させるため、情報通信研究機構(NICT)に高速演算装置を整備する。 ⑤公的個人認証サービス利活用推進事業で5・0億円。多様な分野におけるマイナンバーカードの利便性を高めるため、スマートフォンへの利用者証明機能の格納やケーブルテレビからの公的個人認証サービスの活用等の実現に向けた技術面・運用面の検証する。  ⑥サイバー攻撃対策高度化研究開発環境の整備で10・0億円。高度かつ複雑なサイバー攻撃に対処するため、攻撃活動の早期収集や未知の標的型攻撃等を迅速に検知する技術等の実証を行うための研究開発環境を、情報通信研究機構(NICT)に整備する。  ⑦新たな標準化動向に対応した次世代モバイルシステムの技術実証で6・0億円。我が国のベンチャー・中小企業が参加する次世代モバイルシステムの技術実証を実施し、国際標準へ反映させる。   【防災・減災】では①宇宙天気観測の信頼性向上で1・0億円。大規模な太陽フレアの発生等による社会・経済活動への影響を軽減するため、宇宙天気の観測装置、制御・分析・配信センタの多重化等で。 ②ケーブルテレビネットワーク光化促進事業で15・0億円。放送の停止の回避等といった防災上の観点から、条件不利地域等におけるケーブルテレビ網の光化等の整備に係る費用を一部補助する。  ③放送コンテンツの配信を通じた災害情報等の提供に関する実証事業で5・4億円。放送のネット配信にあたって、利用者が災害情報等を迅速かつ円滑に受けられるよう、災害 情報・字幕配信等の提供方式等を検討する。 ④競技会場におけるICT利活用促進事業で2・0億円。競技会場において、訪日外国人や障害者などが防災情報や災害時における避難誘導等の情報を容易に入手できるよう高速無線LANやデジタルサイネージ等のICTを利活用したモデル事業を実施する。  ⑤情報通信基盤整備推進事業で5・3億円。条件不利地域において、地域活性化や防災・減災等を目的とした情報通信手段を速やかに確保するため、光ファイバ等の超高速ブロードバンド基盤の整備を実施する地方公共団体に対し、その事業費の一部を補助する。  ⑥緊急消防援助隊の充実強化で16・7億円。ドラゴンハイパー・コマンドユニットや津波・大規模風水害対策車、情報収集活動ドローン等の特殊車両や資機材の配備により、緊急消防援助隊の災害対応能力を充実強化する。 ⑦消防団の装備・訓練の充実強化で11・6億円。救助資機材等を搭載した消防ポンプ自動車の配備により、消防団の装備や訓練を充実強化する。 【総合的なTPP関連政策大綱等】では①ICT国際競争力強化パッケージ支援事業で5・0億円。通信、放送、防災/医療ICT、セキュリティ、郵便等のICTインフラプロジェクトを相手国のニーズに応じて「パッケージ」で提案し、成功事例の他国への横展開や新規分野の開拓、重点国への戦略的支援を推進する。 ②放送コンテンツ海外展開総合強化事業で12・8億円。「クールジャパン戦略」、「ビジットジャパン戦略」、「地方の創生」、「TPP/日EU・EPAの活用促進」等に資する放送コンテンツを制作、発信するとともに、様々な連動プロジェクトを一体的に展開する取組等を支援する。  ③ベトナムにおける日本の消防用機器等の緊急市場確保対策で0・2億円。可搬消防ポンプ等の規格整備が進められているベトナムに対し、官民が一体となって日本規格や認証制度等の浸透を図ることにより、日本製品の市場を確保する。  【その他の補正】では①女性活躍推進等に対応したマイナンバーカード等の記載事項の充実等で100・0億円。女性の一層の活躍を推進するため、希望する者に係るマイナンバーカード等において、旧氏(旧姓)併記を可能とするよう、全国1741市区町村の既存住基システム等を改修する。 これらで追加所要額は274・9億円となった。