気象庁/「関東大震災から100年」特設サイト開設

 気象庁は1月4日、本年9月1日で甚大な被害が発生した関東大震災から100年の節目を迎えるとして、「関東大震災から100年」特設サイトを開設した。 過去の大災害から学び、地震・津波への備えに活用してもらうため、気象庁ホームページ内に特設サイトを開設したもので、今後も9月1日に向けて、地震・津波に備えるイベントの情報など、随時内容をアップデートする予定となっている。 この特設サイトは、関東大震災を知り、地震・津波への備えに活用してもらうことを目的に開設。とくに、中学生・高校生にも知ってもらえるよう、①関東大震災の概要②気象庁が保管している当時の被害写真や実際の地震波形の写真③首都圏直下地震等の関東地方で起こりうる地震の特徴④地震・津波に備えるための知識、イベント情報⑤関連する情報や関係機関ホームページヘのリンク、の内容を整理して紹介。学校や家庭での日頃の災害対策の見直しや、地域の防災教育等に活用する。 なお、当時の震度分布図や気象庁が保管している被害写真、波形データについては、気象庁ホームページに初めて公開した。    ◇ さて、1923年(大正12年)9月1日午前11時58分、神奈川県西部の北緯35度19・8分、東経139度08・1分、深さ23kmを震源とするマグニチュード7・9の地震(大正関東地震)が発生した。この地震により、埼玉県・千葉県・東京都・神奈川県・山梨県で震度6を観測したほか、北海道道南から中国・四国地方にかけての広い範囲で震度5から震度1を観測した。 当時の震度階級は震度0度から震度6までの7階級だったが、家屋の倒壊状況などから相模湾沿岸地域や房総半島南端では、現在の震度7相当の揺れだったと推定されている。 100年前のこの地震では、発生が昼食時間と重なったことから、多くの火災が起きて被害が拡大した。加えて、津波、土砂災害なども発生し、死者・行方不明者は10万5000人余(理科年表より)にのぼった。この地震によって生じた災害は、「関東大震災」と呼ばれている。    ◇ 「関東大震災」当時の被害状況を振り返る。 【関東大震災と土砂災害】 大正関東地震では、関東南部の山地や丘陵地・台地の縁辺部で、地震による強い揺れによって崩壊や地すべり、土石流等による土砂災害が多数発生した。「土砂災害が発生した理由として、前日にかなりの降雨があったことが要因の一つと考えられている」(内閣府、災害教訓の継承に関する専門調査会報告書 平成18年7月1923関東大震災より)。    ◇ 【関東大震災と津波】 大正関東地震は、震源域が相模湾内であったため、三浦半島から伊豆半島東岸に高さ数m以上の津波をもたらした。「早いところでは地震後5分程度で津波が襲来し、津波の高さは静岡県の熱海で12m、房総半島の相浜で9・3mとなった」(内閣府、災害教訓の継承に関する専門調査会報告書 平成18年7月1923関東大震災より)。