関東総通局「Web×IoTメイカーズチャレンジ横須賀」最優秀賞決定

 学生や若手エンジニアを対象としたIoTシステム開発のスキルアップイベント「Web×IoT メイカーズチャレンジ2018―19 in 横須賀」(主催・総務省関東総合通信局、Web×IoT メイカーズチャレンジ横須賀運営委員会)は、11月17日(土)~18日(日)のハンズオン講習会に続いて、12月8日(土)~9日(日)に横須賀市産業交流プラザ(神奈川県横須賀市本町3―27)で、参加者がチームを組んでIoT作品のプロトタイプを創作する「ハッカソン」が行われた。最優秀賞にはチーム「ぬるぽ」が受賞した。「Web×IoT メイカーズチャレンジ2018―19 in 横須賀」の後援はスマートIoT推進フォーラム、横須賀市IoT推進ラボ。協力は防衛大学校、電気通信大学、関東学院大学、ステップ、日本ノーベル、京浜急行電鉄、ジェイコム湘南、マルツエレック、横須賀テレコムリサーチパーク、横須賀市、横須賀商工会議所、ヨコスカバレー構想実現委員会、国立研究開発法人情報通信研究機構(NICT)、電波タイムス社。運営事務局はYRP研究開発推進協会、ブール・ジャパン。 同イベントは、IoT機器等の電波利用システムの適正利用のためのICT人材育成事業。全国規模で行われており、同市ではIoT体験型カリキュラムイベントの横須賀大会として催された。参加者はハンズオン講習会で、小型ボードコンピューター「Raspberry Pi 3B+」と各種センサーを使って、 Node.js環境下での JavaScriptによるハードウエアの制御を学んでおり、その3週間後に、チームA~Fの6つのチームに分かれてモノづくりを伴ったハッカソンを行ったもの。  審査員は▽一色正男・神奈川工科大学創造工学部ホームエレクトロニクス開発学科教授、スマートハウス研究センター所長(審査委員長)▽田中豊隆・株式会社グローアップシステム代表取締役(ヨコスカバレー構想実現委員会ボードメンバー)▽岡崎正一・モバイルコンピューティング推進コンソーシアム (MCPC)技術最高責任者及び横須賀運営委員会運営委員。 2日目の午後2時にハッカソンが終了。続いて審査に入って、各チームは作品のプレゼンテーションを行い、審査員が質問や意見を述べていた。 各チームの審査が終了。審査員は別室での審議で受賞作品を選定した。 続いて、修了証の授与式が行われた。 続いて、審査結果を発表。最優秀賞はチーム名「ぬるぽ」(チームE、チームメンバーは熊谷和樹さん(リーダー)、水島大輝さん、浜田啓一さん、グェンミントゥさん)が受賞した。表彰式で杉田瑠美子・横須賀運営委員会主査(プール・ジャパン取締役)から賞状などが授与された。 最優秀賞に選ばれたチームには、2019年3月 (日程未定) に東京都内近郊で開催予定の展示会 (昨年度はスマートIoT推進フォーラム総会)への招待と作品展示の機会が与えられた。 なお、「ヨコスカ×スマートモビリティ・チャレンジ2019」のアイデアコンテスト本選 (2019年1月24日にYRPにて開催) への参加権は、最もスマートモビリティに優れたアイディアとしてチームDが参加権を与えられた。 このほかNICT賞はチームF、J:COM賞はチームD、YRP賞とヨコスカバレー賞はチームC、京浜急行賞と日本ノーベル賞はチームB、横須賀市長賞とステップ賞はチームAが受賞した。 ハッカソンの総評を田中氏、岡崎氏が述べた。 田中氏は「この4日間の中、実際、ハッカソンまでここに残っている皆さんはほんとうにすばらしいと思う。ほかのハッカソンのイベントをみても、最後まで〝残ってくる〟というのがいちばんの難関だったりします。そこを見事に達成された皆さんはまずは、すばらしいと思う。実際に今回、考えた作品ができた方、できなかった方、いろいろいると思いますが、その中でできなかったことを発見して、そのできないことを解決するためにどうすればよいか考えながらこの期間、ずっとチャレンジしてくれたことはすばらしかったと思う。実際に今回、Web×IoTメイカーズチャレンジで、今までは技術的にハードウエアからソフトエアに移ってきて、今後、ソフトだけでなくIoTという、ウェブの力だけではなくて、プログラミングの力だけではなくて、ハードとウェブのあわせたところで、今後の技術が発展していくというところが重要になってくると思う。皆さん、若いうちにこういう場でいろいろな経験ができたことはすばらしいと思う」と述べた。 岡崎氏は「4日間、おそらく皆さん大変だったと思います。ソフトウエアの経験がない人も、一回もセンサに触ったことがない人もいて、チームはランダムに組み合わせて、経験者がいないといったチームもあっただろうし、おそらく4日間で、できると思っていなかったレベルまでできているのではないかと思う。それはチャレンジの気持ちがあればここまでやれると、そういうことをつかむことができたため。それが大事だと思う。今回、アイデアも完成度も非常にレベルが高い、甲乙つけがたい状況だった。やはり、一番大事なのはアイデア。皆さんこれからいろいろ経験して仕事をしても、若いうちの今のアイデアを大事にしてもらいたいし、若いときこそ良いアイデアが出ます。経験を積むとフレッシュなアイデアがしぼんでしまう。今のアイデアを実現しようとするチャレンジな気持ちを、今後とも続けてほしいと思う」と述べた。 閉会の挨拶を総務省国際戦略局通信規格課専門職の岡田公孝氏が行った。「Web×IoTメイカーズチャレンジは、全国9地域で行われている取り組みです。来週も沖縄でイベントがあります。数多くの皆さんに参加していただいているスキルアップのイベントになります。このイベントに参加していただいた方はIoTの知識を向上したいという気持ちを持っているでしょうし、さらにその先を見据えていると思います。皆さんにお願いがあります。ひとつはツイッターやウェブサイトなどの活用などで、チームのみんなと横須賀の方、全国の方とWeb×IoTメイカーズチャレンジにつながっている状態をキープしてほしい。それから、この取り組みをぜひ続けてほしい。皆さんの知識を高めることもそうだし、皆さんの作品をさらにアップデートすることを続けてほしい。それから、次のステップに進んでください。さらに高みを目指す、別のイベントにどんどん参加していただければと思う」と述べた。