横須賀市で「Web×IoTメイカーズチャレンジ」

 Web×IoTメイカーズチャレンジ2017実行委員会横須賀運営委員会主催による、学生や若手エンジニアを対象とした「Web×IoTメイカーズチャレンジ2017in横須賀」ハンズオン講習会が2月24日・25日に開かれた(=写真はいずれも25日の模様、写真提供はWeb×IoTメイカーズチャレンジ2017実行委員会横須賀運営委員会)。24日が横須賀リサーチパークYRPセンター1番館(横須賀市光の丘3の4)、25日が横須賀市産業交流プラザ(横須賀市本町3の27)で行われた。同イベントは、総務省「IoT機器等の電波利用システムの適正利用のためのICT人材育成事業」として実施した。 事業主は総務省関東総合通信局。協力は防衛大学校、国立大学法人電気通信大学、関東学院大学、IEEE Tokyo Young Professionals、IEEE Japan Council Women in Engineering、IEEE Tokyo Student Activities Committee、ステップ、京浜急行電鉄、ジェイコム湘南、横須賀市、ヨコスカバレー構想実現委員会、国立研究開発法人情報通信研究機構。後援はスマートIoT推進フォーラム。運営事務局はYRP研究開発推進協会、ブール・ジャパン。 同イベントは、IoT機器・サービスの開発を行う若者等の電波利用等に関するIoTのリテラシー向上等を目的とした「Web×IoTメイカーズチャレンジ2017」の全国5ヵ所(仙台、前橋、横須賀、鳥取、沖縄)で開催中の一つ。 ステップ1として、ハンズオン講習会の受講、ステップ2として、ステップ1で学んだ知識を生かしてチームを組んで実際にデバイス製作に挑戦してもらうハッカソン(3月3日・4日開催)の二本立てのIoT体験型カリキュラムとなっている。  応募資格は基本的に学生・社会人を問わず学習意欲のある人、プログラミングに興味を持っている人、かつ、全日程に参加できる人とした。 参加特典は①ハッカソン作品製作にかかる材料費を補助②ハッカソン終了後は、チームに1台「Raspberry Pi 3」とセンサーキットをプレゼント③最優秀チームには、3月9日に東京で開催される「スマートIoT推進フォーラム総会」での作品展示と招待がある④参加者は、後日開催されるYRP見学ツアーに招待する。 『ハンズオン講習会』では、「Raspberry Pi 3」を使って、物理デバイス(モノ)を「JavaScript」からコントロールする実践講習会を行った。 開会の挨拶を横須賀運営委員会主査の杉田真奈美氏(ブール・ジャパン代表取締役)が行った。「非常に発想豊かな皆さんが、楽しみながら素敵な作品を作製いただけることをスタッフ一同、心よりお待ちしています。そして最優秀作品は3月9日の『スマートIoT推進フォーラム総会』で展示されますので皆さま競い合っていただければと思います」と述べた。 次いで運営委員である安井哲也YRP研究開発推進協会会長補佐兼事務局長が挨拶した。「本日の参加者の皆さまは大学がお休みに入ったところの大変貴重な土曜、日曜そして来週の土曜、日曜ということで4日間、このイベントに参加いただけるということで本当にありがとうございます。私どもも実施担当としてこれまで準備をしてきまして、皆さんが参加されたということで大変うれしく思っています。ここYRPには情報通信系のいろいろな国の研究機関、民間企業の研究機関が集まっており、この場所で皆さまを迎えられたことをうれしく思っています。皆さまが4日間行っていただくものは今のモバイルの研究開発の重要な部分、中核的な取り組みの入り口であって、そういった意味では皆さまもYRPの参加の入り口に立っていただいたと思います。皆さまもリラックスして楽しんで、自由な発想をこの場で発揮していただきたいと思っています」と話した。 主催者からの挨拶を山下朝文・総務省関東総合通信局情報通信部長が行った。「本日は、若い学生さんにたくさん集まっていただきました。英国のオックスフォード大学のマイケル・オズボーン准教授が日本の労働人口の約49%がAIとロボットで代替できるとして、それで、AIにできる職業、できない職業が明示されていますが、私は少し違うと思います。AIで無くなる職業、残る職業に分かれるのではなくて、必要な人とそうでない人に分かれるのだと思います。必要な人とはAIにはできない創造性豊かなクリエイティブな人が残っていくのだろうと思います。今日から始まる4日間、大いにアタマを使って、最終日の発表会にはどれだけ思考したか考えたのかが試されるのではないかと思います」と述べた。 続いて、横須賀運営委員会・委員を紹介した。 午前中は座学講習(IoT/電波に関する基礎知識)を行った。講師は電気通信大学先端ワイヤレス・コミュニケーション研究センターの安達宏一専任准教授。内容は「IoTの基礎知識 IoTとは何か?~IoTのイメージをつかもう~」「IoTの技術・関連法制度 もっと知りたいIoT~IoTの技術を知ろう~」「IoTの活用 自社でIoTを活用するのには? ~IoTの導入手順を知ろう~」。 午後はYRP無線歴史展示室を見学した。また、横須賀リサーチパーク(YRP)の概要の説明があった。 次いで仕様機材の説明があった。 横須賀市のテーマ説明では、横須賀市役所企業誘致・工業振興課が作成した5つのテーマが発表された。①横須賀マリンレジャー資源の積極発信で市外から人を集める②谷戸再生構想の実現~住みやすさの向上をめざす~③何度も訪れたくなる横須賀をめざす④24時間365日子育て・暮らし・高齢者の見守り・困りごとの相談に対応⑤交通渋滞解消や駐車場管理と交通事故防止―の5つ。グループに分かれてひとつのテーマを選択。「センサーを使ってテーマを解決(改善)できないか」グループで話し合った。 2日目の25日には、体験講習会として、Raspberry Pi 3+センサーキットの使い方を学ぶため、開発環境として各チームに機材一式を貸し出した。Raspberry PiにはNode.jsを用いた環境を構築しJavascriptを使って実際に超音波センサーや温湿度センサーなどの12種類のセンサーを稼働させる方法を学んだ。講師はブール・ジャパン技術部次長の石川浩氏が担当した。 体験講習会後には各チームで横須賀市からのテーマを解決するためのアイディアソンを行った。各チームがそれぞれIoT を活用してどの様に問題解決に取り組めるかを真剣に議論し、時に技術チューターの関東学院大学の高橋先生、原先生、佐藤先生に実際にプログラムを作る方法やハードウエアの加工方法などを積極的に質問し、1週間後に行われるハッカソンに向けて各々取組みを行った。