5G全国展開支援に注力―高市総務大臣が就任記者会見

 第4次安倍再改造内閣が9月11日に発足し、総務大臣に高市早苗氏が2年1ヵ月振りに再就任した。高市総務大臣は9月12日、初登庁後に総務省記者会見室で就任記者会見を開催した。         ◇          ◇ 「サイバーセキュリティの問題など意気込みをお聞きしたい」という記者の質問に対し、高市総務大臣は「サイバーセキュリティについては、自民党のサイバーセキュリティ本部で、総裁直轄機関で2任期務めた。相当野心的といえる『2次提言』を先般、総理に提出した。総務省に係るところでは、『自治体の情報システム標準化』に向けて、しっかりとサイバーセキュリティ対策は確保していく。10月1日から始まる『キャッシュレス決済ポイント還元制度』に係るセキュリティ、これは経済産業省が中心にやっているが、総務省にもサイバーセキュリティ統括官がいるので、協力をしながら多くの人々の大切な情報を守るために力を尽くしたい。また、色々と充電してきたので、政策が固まったら発信する。気持ちを新たにして懸命に取り組む」と述べた。 また、「携帯各社が端末料金と通信料の分離プランを相次いで出しているが、携帯各社の料金値下げに向けた動きをどのように見ているか。また、来年春からの5G商用化に何を期待するか」という質問に対し、高市総務大臣は「10月1日から改正電気通信事業法が施行される。携帯電話については、利用者が通信料金による比較や選択、事業者乗り換えが容易にできるようになるので、競争が活発化し、分かりやすくなる。通信料金と端末料金を分けて対応していくことで、端末の機器間でも競争が起こって低廉化していくと期待している。楽天モバイルには携帯電話事業者としての社会責任を果たして早期に本格的なサービスを展開できるようにしていただきたい。5Gについては、来年度予算の概算要求にも入れているが、5G、光ファイバの全国展開支援をしっかり行う。地域課題の解決にも5Gに注力する。特に過疎地の在住者や外出困難な高齢者や障がい者に向けて、遠隔医療に5Gや8Kの利用に取り組む」と述べた。 「前回の在任中、高市大臣はNHKの常時同時配信について懐疑的な意見だったが、その後、考えは変わったか」という質問に対し、高市総務大臣は「前回総務大臣を務めた時に、NHKの常時同時配信を放送の補完と位置づけること、国民や関係事業者の意見を幅広く聞きながら検討すること、業務委託及び子会社のあり方などを見直すことが特に重要だと申し上げた。今年5月に改正放送法が成立したので、これらの趣旨を踏まえて常時同時配信をNHKに、その目的達成に資する範囲で可能とするということになった。インターネット活用業務の実施基準に関する意見聴取義務や、NHK及び子会社などガバナンス強化など、私が申し上げていた問題点、指摘については盛り込まれた。常時同時配信については、引き続きこれらの趣旨を踏まえて取り組むこと、改正放送法に基づき進めることについて注視する」と述べた。