CIAJ 「2022年度ファクス利用調査」6割が日常の業務でファクス利用

一般社団法人情報通信ネットワーク産業協会(CIAJ)の「CIAJ画像情報ファクシミリ委員会」は、2022年度のファクスの利用調査の結果を発表した。 CIAJ画像情報ファクシミリ委員会は、2020年度からファクスの利用調査を行っている。今回の調査で、ファクスはまだ4割以上の人に利用されていること、送受信業務をしている人においては、6割の人が日常の業務フローの中でファクスを利用しているが分かったという。一方、テレワーク下においては、ファクスが持つ転送機能等を活用してもらえていないことも分かったとしている。 第1回(2021年1月)、第2回(2022年2月)に続き、2023年1月に3回目のアンケートを実施し、全国の20~69歳の男女有職者約4000人に対し、複数回答を含む形式で行った。また、継続したアンケート活動になるよう心掛けて調査項目を決定し、「基礎調査=16項目、本調査=20項目」の調査を実施している。 ファクスの利用状況については、43・7%の人が、業務の中で通信手段として利用している。昨年度に比べ、「日常的に使用+「たまに使用」が、2・2%低下している。業務の中で、「送受信業務がない」人を除いた場合、6割の人がファクスを利用している結果となり、まだファクスは、業務の中の通信手段の1つとして利用されていることがうかがえるという。 使用しているファクス機についっては、職場ではカラー複合機(約7割)/モノクロ複合機(約2割)が大きな割合を占めている。同項目は、2020年度からアンケートを行っているが、以下のようにファクス機を持っていない人でもファクスを利用するケースが増えている。「コンビニエンスストアのファクス利用」:1・9%→2・3%→3・8%、「スマートフォン等からのファクスサービス」:2・9%→2・6%→7・2%(2020年度→2021年度→2022年度:今回)。 ファクスの便利な点については、普段利用している人にとって、ファクスは簡単な操作でかつ確実な送受信が可能である情報伝達手段であり、その利点が反映されている結果(59・2%)としている。個々人にパソコンがない職場や、業務フローの中で紙を使用している職場では、迅速な利用が可能となる。 「転送機能を利用」「中継機能を利用」に該当するファクス機の機能を利用している人が、23・3%となった。一方、「出社して職場から送る」「出社している人に送ってもらう」の合計が、20・1%となり、ファクス機の機能を利用していない人が、ほぼ同数の結果となった。また、運用関与者(事務機器の運用担当者、および機器の設定等をある程度知っている人)に限定した場合、ファクス機能を利用=40・3%、機能を利用しない=28・4% となり、機能利用の割合が増えるが、ファクス機の機能を利用していない人が、3割弱の結果となった。「テレワーク下でもファクス送信を行う方法」について、情報周知につなげる必要性があるという結果になったとしている。 ファクスで送信する際、原稿の読み取りの画質(画質が高いとよりキレイに読み取る反面、データ量が増加する)の設定について、「より細かく」&「原稿によって」のように、利用者が目的に応じて設定している人は、全体の20・3%となり、昨年度(18・3%)に比べ若干増加している。一方、読み取り画質を気にしない人は、全体の46・9%で、半数弱の割合となっており、運用関与者を除いた場合、6割の人が気にせずに利用している。 ファクスは、まだ4割以上の人に利用され、送受信業務をしている人は、6割が日常の業務フローの中でファクスを利用されていることが分かった。一方、テレワーク下においては、ファクスが持つ機能を活用してもらえいないことも分かった。(全文は9月1日付1面に掲載)