進化した「TOUGHBOOK」発表 荷物の配送状況を可視化するサービスもスタート パナソニック

 パナソニックは11月20日に都内で記者会見を開催し、頑丈ハンドヘルド「TOUGHBOOK」シリーズの最新機種「TOUGHBOOK FZ―N1」を11月21日より順次発売すると発表したほか、荷物の配送状況を可視化するサービス「配送見える化ソリューション」を12月1日より開始すると発表した。 「TOUGHBOOK FZ―N1」は、前モデルで好評だった斜め配置のバーコードリーダーを搭載する4・7型頑丈ハンドヘルド。210㌢㍍からの落下試験のほか、2000回の100㌢㍍からの連続落下試験や高さ80㌢㍍からの鋼球落下試験、MIL―STD―810G準拠の対振動試験なども実施した頑丈ハンドヘルド端末で、OSはAndroid8・1を採用。動作温度の限界がマイナス10度からマイナス20度に向上したほか、CPUはQualcomm SDM660 2・2GHz×4+1・8GHz×4(Octa Core)を搭載。連続駆動時間は約12時間で、大容量バッテリーモデルは約19時間の連続駆動が可能。メモリは3GB、ストレージは32GBのeMMCを搭載している。 また、屋内用途に適したWi―Fiモデルを新たにラインアップしており、IP66/68準拠の防塵・防滴・防水機能を搭載。濡れている手や、手袋を装着してもタッチ操作可能な「手袋操作モード」や「水滴誤動作防止モード」、NFC準拠非接触ICカードリーダーライターなどを搭載するほか、法人向けのサービスとして、通常だとAndroidの更新ファイルは全端末に即時アップデートされるが、アップデートファイルは同社の配信サーバーから経由してアップデートすることで、更新を遅らせたい端末などへの最新アップデートを遅らせられるサービスもラインアップしている。◇ 「配送見える化ソリューション」は、メーカー・卸・小売といった荷物を出荷する荷主および3PL(3rd Party Logistics)向けのソリューションで、荷物の持ち出しや配送・配送完了までのプロセスを電子化して一元管理するZETESの「ZETES CHRONOS」システムを利用し、「TOUGHBOOK」などの同社ハードウェアで各種リーダー情報を読み込むことで、配送現場のプロセスを見える化するというもの。 ドライバーは配送業務の各プロセスにハンドヘルドを活用することで、同端末を介して配送業務指示を受信して業務効率化と作業ミスの軽減を図れるほか、荷主や管理部門は配送状況をリアルタイムに確認できるため、配送効率の向上や問い合わせ対応にも迅速に対応することが可能となる。また、荷物の持ち出し時には、荷物単位でハンドヘルドに搭載しているバーコードリーダーでデータを読み込み管理することで誤配送や誤集荷を防止し、受け取りサインの電子化などによりエビデンス管理を効率化して、リスクを軽減することができる。◇ 記者会見に登壇した同社コネクティッドソリューションズ社常務兼モバイルソリューションズ事業部事業部長の坂元寛明氏は、人手不足が加速・配送ニーズの多様化と人の流れの増加が進んでいる状況にある中であらゆる現場での業務革新が急務とされており、その中でも、運送業のみではなく、小売業や卸売業といった荷主にも「配送時のヒトやモノの流れを見える化するソリューションのニーズが高まっています」と説明する。 坂元氏は同社のBtoB事業の戦略について「従来当社はエッジデバイスを活用したサービスをキーに展開してきましたが、基幹システムの部分はお客様のものをそのまま活用することも多くありました。今後は組織力を付けて全体のソリューションとしてお客様のお役立ちをしていくということを、今後のBtoB事業の柱としていきます」と話しており「従来から提供している尖ったハードときめ細かいサービスに加えて、システムの部分で組織力をつけることで、お客様の課題を解決するソリューションで、各事業および日本社会全体に貢献したい」と語った。