パナソニック 4Kダブルチューナー内蔵有機ELビエラ

 パナソニックは、有機ELテレビの画質をさらに進化させ、臨場感あふれる画質と音質を実現した大画面有機ELテレビ〝4Kビエラ〟HZ2000シリーズ2機種を発売した。「TH―65HZ2000」(65V型)、「TH―55HZ2000」(55V型)で価格はどちらもオープンで、店頭予想価格は「TH―65HZ2000」が49万円前後、「TH―55HZ2000」が35万円前後。  同社は新4K衛星放送や4Kネット動画などのさまざまなコンテンツを自宅のリビングにて臨場感あふれる画質・音質で楽しんでもらう「ホームビューイング」を追求したテレビとしてビエラを開発している。本シリーズはその中でも、ビエラ最高峰の高画質/高音質で自宅でのエンターテインメントを楽しめるフラグシップモデルとして開発した東京2020オリンピック・パラリンピック公式テレビ。 画質面では、同社が独自に設計した構造や素材、パネル駆動を採用したDynamicハイコントラスト有機ELディスプレイを昨年のフラグシップモデルGZ2000シリーズから継続して採用。明るいシーンでの色/階調表現を大幅に高めると同時に、有機ELが得意とする暗いシーンでの色/階調表現を独自の調整工程でより高いレベルに引き上げ、明部から暗部まで、より高いコントラスト性能を実現している。 また、本シリーズでは同社独自のパネル制御技術「Dot Contrast パネルコントローラーPro」の改良により、明部と暗部の階調表現がより豊かに進化した。 さらにAI HDRリマスターの進化により、新4K衛星放送のさらなる高画質化を実現。より豊かなコントラストで映像を楽しめる。音質面では迫力の立体音響を実現するため、テレビ背面上部に上向きに配置した「イネーブルドスピーカー」を含む最大出力140㍗のスピーカーシステムを搭載。これを、立体音響技術「Dolby Atmos(ドルビーアトモス)」に対応した音声処理回路で駆動することで、上下左右から音に包み込まれる迫力の立体音響を楽しめる。さらに、本機ではリモコンに搭載したマイクを用いて視聴環境に最適な音質補正を自動で行うSpace Tune Auto機能を新たに搭載。イネーブルドスピーカーをはじめとする各スピーカーの性能をより発揮することで、さらに広い音場や音の定位感を実現した。また、好評の地震に強く倒れにくい吸着機能付きの「転倒防止スタンド」を採用。スイーベル(首ふり)機能も搭載し、日常生活における利便性を向上させた。 本シリーズの有機ELディスプレイはGZ2000シリーズで採用した「Dynamicハイコントラスト有機ELディスプレイ」を引き続き搭載。「漆黒から眩い光の輝きまでをリニアに再現する」という理想のもと、かつてのプラズマディスプレイで培った技術を研鑽し、同社独自に設計、自社の工場で高精度に組み立てた有機ELディスプレイ。特別素材の放熱プレートと貼付けシートなどを独自の構造で構成することで一般的な有機ELディスプレイよりも放熱性能を高めている。これにより、有機ELパネルの発光性能を最大限に引き出し、高輝度化と安定した発光を可能にすることで、より豊かなコントラスト表現を可能とした。 有機ELビエラは製造ラインで1台1台にホワイトバランス調整・階調表現調整などを高精度に行っている。それに加えて本シリーズでは、より緻密な暗部表現を実現するために、同社独自のパネルチューニングシステムを開発し、調整工程に加えた。これにより、暗部階調表現のわずかな乱れも低減し、業務用モニターに求められるようなプロフェッショナルクオリティの黒の階調表現を実現した。 画素単位で明るさや色の情報を個別で制御し、高いコントラストの表現力と忠実色再現を両立するビエラ独自のパネル制御技術を搭載。本シリーズには、一般的な有機ELディスプレイよりも高コントラストな「Dynamicハイコントラスト有機ELディスプレイ」の性能に最適な調整を施した「Dot ContrastパネルコントローラーPro」を採用。HZシリーズでは、明るさの分布まで解析し制御するアルゴリズムを新たに追加し、暗いシーンでのコントラスト表現をより強化した。さらに本シリーズでは、明部についても高輝度域の階調表現を強化し、明部階調をより滑らかに表現できるようになった。 業務用マスターモニターにも採用されている色補正技術3次元カラーマネジメント回路「ダイナミック 3D―LUT」を有機ELパネルの特性にあわせてチューニング。画面の明るさに合わせて、動的に補正量を変化させ、暗部だけでなく明部でも階調と色彩を忠実に再現する。 また、「ヘキサクロマドライブ プラス」の色のチューニングには独自開発の測定ツールを活用。全輝度域で測定誤差を低減することで、業務用のマスターモニターの精度に近い「色再現力」を実現した。 地上デジタル放送も新4K衛星放送も高コントラスト映像に高画質化する「AI HDRリマスター」を搭載。地上デジタル放送などのSDR映像を高画質化するためにAI(人工知能)にSDR映像とHDR映像のデータベースを機械学習させ、その学習データを元に最適な画質処理をすることでSDR映像もHDR映像のように高コントラストに変換させることが可能となった。本機能は同社がハリウッド映画製作者との協業などを通じて培った技術を活用することで実現した。 さらに、新4K衛星放送に採用されているHDR方式(HLG)の画質を大幅に向上させるため、新たな画質処理アルゴリズムを採用。HLGの映像信号に含まれる明るさ情報をシーンごとにリアルタイムに解析し、パネルの持つコントラスト性能を最大限引き出せるようにHDR映像を高画質化処理する。これにより、あらゆる4K番組を明るく高コントラストに表示することが可能になる。 本シリーズはUltra HDブルーレイの標準規格「HDR10」、新4K衛星放送で採用されている「HLG」、最新のHDR規格である「HDR10+」、「Dolby Vision(ドルビービジョン)」の4方式に対応した。HDRの明暗再現に加え、なめらかな色の階調も表現できる高品位な映像規格で、製作者の意図に忠実な映像を家庭で楽しめる。さらに「HDR10+」および「ドルビービジョン」の高画質認証も取得している。加えて、複数のHDR対応外部機器との接続を想定し、すべてのHDMI入力端子を4K/60p/HDR映像の伝送が可能な18Gbpsの高速伝送に対応させた。また、ハイダイナミックレンジで写真の臨場感を伝える「HLGフォト」再生にも対応した。