ズームすると推しメンの声がよく聞こえる「音のVR」技術開発を発表
KDDIおよびKDDI総合研究所は、3月14日に都内で記者会見を開き、ハロー!プロジェクトと共同で好きな場所にフォーカスしてその音を楽しめる「音のVR」コンテンツを制作したと発表した。 同技術は360度カメラの同軸上に指向性集音マイクを6本配置して、周囲の音を録音する。映像と音声が同期しており画面の向きによって音場を判別していることから、ユーザーが特定の位置に向けて視点の移動や映像をズームすると、ズームをした場所の音声が強調されて聞こえるようなシステムとなっている。 コンテンツでは、「モーニング娘。’18」のメンバー全員がカメラを囲い楽曲「I WISH」を歌い、そのうちの数人が順番で手紙を朗読するというもので、手紙を朗読するメンバーをズームすると、そのメンバーの声がカクテルパーティー効果のように強調されて聞こえた。 KDDI総合研究所執行役員ヒューマンコミュニケーション部門長の滝嶋康弘氏は「従来からKDDIは音に関連するコンテンツを強化してきましたが、今回の技術は一味違う音楽の視聴体験ができると思います」と話し、技術の利用例としてはライブやスポーツといったコンテンツのほかにも、旅行や行事などの撮影、テレビ会議や防犯カメラといったケースでの実用化を目指すという。 また、2020年の実用化に向けて進む次世代移動通信システムの5G技術について触れ、「今回の音のVRと5Gを組み合わせることによって、ライブ会場で楽しみながら、スマホなどを利用して推しメンのパフォーマンスを楽しむといったことも可能になります。これからの5G時代の新しいサービスや体験を感じていただければなと思います」と話している。 記者会見には、同コンテンツに出演した今年で20周年を迎えた「モーニング娘。’18」のメンバーが登場し、記者会見同日の朝に撮影したコンテンツの体験を行った。同グループらが所属するアップフロントグループチーフディレクターの橋本慎氏は「ハロー!プロジェクト20周年のタイミングでありがいお話しをいただきました。映像とともに音もズームできるということで、より生身の彼女たちをファンの方々に楽しんでもらえると思います」と期待を寄せた。 VRコンテンツを体験したメンバーからは驚きの声が上がり、同グループリーダーの譜久村聖さんは「VRの撮影をしたことはありましたが、音のVRと聞いても全く想像がつきませんでした。映像が寄ると、音程とかもバレてしまうので大丈夫かなとハラハラしながらの撮影でした(笑)」と話し、飯窪春菜さんは「操作もとても簡単でしたし、音もズームできるので、誰もがグループのセンターになれます。何回でも映像を見て楽しむことができますね」と話している。
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