オールパナソニックで考えた2030年の暮らし 「EXPANDED SMALL―豊かさを拡げる2030年のくらし展―」開催 パナソニック アプライアンス社

 パナソニック アプライアンス社のデザインセンターは、未来の豊かなくらしを考えるイベント「EXPANDED SMALL―豊かさを拡げる2030年のくらし展―」をSHARE GREEN MINAMI AOYAMA(東京都港区)3月2日から3月5日にかけて開催した。 同展は、住空間をコンパクトで最小限なものにしながらも、様々なサービスと繋げることで、豊かさや楽しさが広がる新たな暮らしのコンセプト「EXPANDED SMALL」を紹介するもので、3月1日にはプレス向けの内覧会が行われ、同社デザインセンターデザイン統括部主幹の長谷川錦哉氏と同社デザインセンターFUTURE LIFE FACTORY(FLF)の足立昭博氏が登壇し、FLFや同展の狙い、「EXPANDED SMALL」のコンセプトについて説明した。 まず、長谷川氏はFLFの創設理由について「生活の豊かさが変わりつつあり、プロダクトそのものを見るだけではなく、住空間・コミュニティ・社会までに思いを馳せながら、お客様の体験を考えなければならない時代となりました。事業部と紐付いた製品デザインではなく、新しい領域の価値・未来のくらしを先行的に扱ってデザインするチームとして設立しました」と話し、今回の展示会は、FLFのメンバーが「2030年の暮らしとは」について約1年半かけて考えた一つの結論を紹介するもので、2017年に行った「パナソニックデザイン展」で発表した「Next Humanity」の発展形という。しかし、「Next Humanity」では「家電のデザイナーが主体となってプロジェクトのため、暮らしを見据えるといっても家庭内の体験にとらわれていました」とFLFの足立氏は話し、「2030年のくらしを考える上では、パナソニックの多岐にわたるカテゴリーを乗り越えて連携して2030年のくらしのビジョンを創出する必要があると思い、エコソリューションズ社やコネクティッドソリューションズ社の、住宅・デザイン・BtoBなどのデザイナーが入ることで、より広い視点でのプロジェクトとなりました」と話し、事業部をまたいだ『オールパナソニック』のプロジェクトだと説明した。 今回の展示について足立氏は「これまでには、当社のイベントスペースでコンセプト段階のものを見てもらってから意見を集約し、その後アイデアを具現化して有識者からのフィードバックももらいました。今回の展示は、1年半かけて行ってきた未来洞察のアジャイルな最終形として、多くの方々に公開して問いかける場として位置づけています」と語っている。 「EXSMALL」は、自動運転で各地を移動しながら暮らすことの出来る4畳半のスペース。2030年には各種サービスが高度化し、その中でもコーディネートやレンタル、クリーニングといった衣服関連のサービスが充実していくとFLFは予測しており、車両には、スチームによる簡単な衣類ケアを行えるクローゼットや、着る服を事前に選んでおくことで、最適なタイミングでの衣服が配達や、着終わった服のクリーニングサービスとも連携する。ほかにも、人間関係は今以上に複雑になり、2030年にはプライベートな空間の重要性がますます高まっていくと予測したことから、シャワールームや、ライトアップやスチームによって心身をリラックス・集中できるプライベートルームも設置。車両側面には美しい風景を映し出す電化窓も装備し、景色サービスと連携するため、気に入った景色を表示しながら暮らすことも可能となる。 生活の基盤となる「VILLAGE」は、「EXSMALL」利用者が集まるパブリックな空間。エネルギーや共用家電、キッチン、ダイニング、上下水道、ランドリー、大浴場など、生活に必要なものは住民同士のシェアが前提となっており、全国各地にある遊休地を活用して設置。「EXSMALL」や「VILLAGE」に向けた各種サービスは、自社以外にも社外パートナーと提携を結び、事業としてはサブスクリプション型のサービスによって収益化するコンセプトだという。 展示は屋内にある「ZONE1.CONCEPT&EVENT」と屋外にある「ZONE2.VILLAGE」に分かれており、「ZONE1.CONCEPT&EVENT」では、FLFが提案するくらし方のコンセプトや、新しい住空間「EXSMALL」の紹介、様々なゲストを呼び、トークイベント「Talk a lot.」を実施。「ZONE2.VILLAGE」では、「EXSMALL」と、アウトドアオフィスや折りたためる休憩所「オリガミタイニー」でお茶やお灸でリラックスできるモバイルウェルビーイング、サントリー天然水とコラボレーションしたオリジナルドリンクを飲めるスタンドなども用意されていた。