NHK、IBCで様々な技術を展示

NHKは欧州最大の放送メディア機器展であるIBC2024(オランダ・アムステルダム、9月13日~16日開催)に出展した。
IBCでは、放送現場が抱える直近の課題を解決する技術から未来の新たな放送メディアに繋がる技術までをコンパクトに展示した。どの展示もNHKの技術力が高く評価され、好評を得たという。「シーン適応型イメージング技術」と「ニューステキストへのラベル付与技術」についての講演を行い、どちらもIBC Best Papers 2024 (10件)に選出されている。
項目別の概要は以下の通り。
▽「Webベース放送メディア」
放送とWebを融合する「Webベース放送メディア」のコンセプトと、それを構成する要素技術から2つ展示した。
一つ目はフェイクニュース対策として、コンテンツの出どころや制作過程を表すC2PAの来歴情報を検証・提示可能なテレビ向け動画視聴プレーヤー。実用化の時期やストリーミング動画に対する来歴付与・検証手法などに関する質問が多く寄せられ、フェイクニュース対策の重要性に対する共感と早期実現への期待の高まりを実感したという。二つ目は放送コンテンツベースのコンテンツ発見メタデータによって、放送とインターネットだけでなく、放送とさまざまな業界をつなぐユースケースのデモ。アプリケーションの仕組みやメタデータの構造、形式に関する質問を受けた。さまざまな業界をつなぐユースケースのデモは、珍しい取り組みとして注目を集めた。
▽「シーン適応型イメージング技術」
被写体の特徴に合わせて局所的にイメージセンサーの解像度、フレームレート、露光時間を制御するイメージング技術を展示した。
カメラ業界をはじめ多くの来場者から好評意見があった。センサーなどの技術詳細に加えて、実用化の時期などの質問があった。また、製品検査などで用いられるマシンビジョンにこそ最適な技術であるとのコメントもあり、新たな気付きが得られたという。
(全文は9月30日号3面に掲載)

この記事を書いた記者

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成澤誠
放送技術を中心に、ICTなども担当。以前は半導体系記者。なんちゃってキャンプが趣味で、競馬はたしなみ程度。