新年特別インタビュー  東京タワー  前田社長に聞く

――2018年を振り返っていただいて、どのような年だったでしょうか 前田 日本全体の傾向ですが、北海道地震や西日本豪雨など、多くの自然災害が発生し、天候に左右された年だったように思います。夏の猛暑や、秋口に毎週のように発生した台風の影響(塔上部では‘風速50m超え’も記録)などもあり、特に観光・集客面では苦労した1年でしたね。 一方で、2020年を控え、トップデッキのリニューアル工事、塔体塗装工事に加え、メインデッキのサッシ取り替え工事など、大型工事が集中した年でもありました。東京タワーは年中無休の施設ですので、昼間の観光営業は止めずに夜間工事を実施するという点で、関係各社の皆様にはご尽力頂いております。 また昨年は非常発電システムの整備工事も実施しました。非常用発電機3基をオーバーホールし、地下と屋内の燃料タンク接続など、極力、既存設備の有効活用を心掛けつつ、システムの一本化をはかった結果、有事における‘無給油連続運転時間の72時間化’を実現しました。 現在、東京タワーにはTOKYO FM、InterFM897、i―dioの送信親局としての役割の他、地上デジタルテレビ放送のバックアップを担う予備送信所、また生放送や緊急時にも放送素材を伝送可能とする中継基地局としての機能を有しておりますが、今回の非発整備によって、あらためて東京スカイツリーと東京タワー、首都圏における電波インフラの常時2拠点体制が整ったことになります。 さらに、昨年から地上波テレビ放送の高度化実験(4K8K)用設備も設置頂いております。衛星放送の新4K8Kは昨年12月1日にスタートしましたが、テレビ地上波の高度化もその実現に向けて着実に始動されていて、此度、弊社に設置頂いた実験用設備もその重要なひとつとして、引き続き様々な検証が行われていくとお聞きしております。 このようにあまり派手ではありませんが、「縁の下の力持ち」として、皆様のお役に立てるよう、粛々と仕事をしております。(全文は1月4日号に掲載)