NHK IBC2019に出展 8Kの制作から受信までのシステムを紹介

 NHKは、アムステルダムで9月13日から17日まで開催されたヨーロッパ最大の放送機器展であるIBC2019で、最新の技術を展示した。 NHKブースは、ホール8のFuture Zone内に開設し、昨年12月に開始した8Kスーパーハイビジョンの衛星放送について、制作から受信までのシステムを紹介した。また、8K放送番組を体感してもらうため、地元のロイヤル・コンセルトヘボウ管弦楽団演奏会の番組をはじめ、ドラマ、スポーツ、ドキュメンタリー番組のダイジェストを98インチの大画面ディスプレイと22.2マルチチャンネルの3D音響システムで上映し、多くの来場者が視聴した。 技術展示として、次世代地上放送に向けた伝送技術や次世代映像符号化技術の研究成果の他、放送と通信を連携させたハイブリッドキャスト用アプリケーションを開発するツールを紹介。さらに、技研が考える将来のメディア「ダイバースビジョン」のイメージビデオを上映し、将来の放送サービスのイメージを放送関係者に披露した。併せて、ダイバースビジョンでの活用を目指す技術として、個人視聴用に研究開発を進めている小型インテグラル3Dテレビの展示と、AR(Augmented Reality:拡張現実)用の眼鏡を活用した新しいテレビ視聴サービスのデモも行なった。 来場者は、8Kについては「まるでコンサートホールにいるような臨場感だ」「スポーツ競技での活用に将来性を非常に感じる」、3Dテレビについては「将来、さらに高画質で見られることを楽しみにしている」といった感想があったとしている。 展示に併せて開催された会議でも、次世代地上放送システムの実験結果、AR、VR(Virtual Reality:仮想現実)による新しいテレビ視聴体験に関する研究、そして「ダイバースビジョン」について講演した。次世代地上放送システムの実験結果に関する論文は、IBC論文BEST10に選出された。