映像配信高度化機構  令和3年度総務省実証事業で8Kコンテンツ&5・1chを多地点に配信

 一般社団法人映像配信高度化機構(理事長:中村伊知哉 i U 大学長)は、三菱総合研究所との共催で、超高精細な8Kコンテンツと5・1チャンネル音声を通常のインターネット回線を使って多地点に配信し、映画館並みの大画面とサラウンド音響で 鑑賞してもらう実証実験を、「NIPPON 8K IMMERSIVE THEATER (8K“没入感”劇場にっぽん」として実施し、計画通りの成果を達成したと発表した 。 同実証実験は、令和3年度の総務省実証事業「4K8K高度映像配信システムの産業横断的な活用に向けた調査研究」の一環として、東京オリンピック・パラリンピックのライブビューイング会場で行う 計画だったが、コロナ感染症対策で中止となったため、その代替として関係者に限定して実施したもの。 同法人当法人の取り組みは、総務省の「2020年に向けた社会全体のICT化推進に関する懇談会」のアクションプランの一つに位置付けられている。4K8Kの超高精細映像とサラウンド音響を通常のネット回線を使って、低コストの超高精細映像とサラウンド音響を通常のネット回線を使って、低コストで日本中、世界中にストリーミング配信し、音楽ライブ、スポーツ、祭、郷土芸能などをいつでもどこでも身近な施設で、しかもまるでその場にいるかのような圧倒的な臨場感で楽しめる「高度映像配信システム」を世界に先駆けて、開発している。現時点で、システムはほぼ完成していて、産業横断的な活用に向けていろいろなケースで最終テストを重ねている。 今回は複数の超高精細な8Kコンテンツを横浜にある「4K8K高度映像配信プラットフォームプラットフォーム」に蓄積し、通常のインターネット回線を使って、8月12日~13日に、埼玉県川口市の「彩の国ヴィジュアルプラザ SKIPSKIPシティ映像ホール」と大田区のアストロデザイン社の8K8シアターに、8月24日には、港区竹芝の「竹芝ポートホール」と、愛媛県東温市の「シアターNEST」と大田区のアストロデザイン社の8Kシアターに配信し、映画館並みの大画面で上映し、関係者に観賞してもらうとともに、専門家による専門家による検証を実施した。 8Kコンテンツの配信は、ライブ型ストリーミング型、ダウンロード型のそれぞれで複数回行い、上映施設側にある「4K8K受信再生受信(同法人で開発したもの)で受信し、8Kプロジェクターに送って大画面上映した。ネット回線は、NTTの光回線で、上映施設によって、NURO、フレッツ光のビジネスタイプ、フレッフレッツ光のファミリータイプと異なっていた。 また、川口と竹芝では、フレッツテレビ回線を敷設し、光回線経由でNHKBS8K放送を受信し、市販のチューナー経由で8Kプロジェクターに送り、8K放送の大画面上映も行い、画質などを検証した。さらに、竹芝では常設の4Kプロジェクター2台を使って、400インチ×横2面の超ワイドスクリーンに、8K×縦2Kの画質で、文化庁作品「DRUM TAO 祭響(さいきょう)」を大画面上映した。 8月12日と13日との「SKIPシティ映像ホール」では、NTTフレッツ光のビジネスタイプで常時300~700Mbpsの帯域があったため、トラブルも画質劣化もなく、横浜のプラットフォームにある8Kコンテンツをストリーミング配信で、350インチの常設スクリーンに8K上映できたという。同施設には5・1チャンネルサラウンド音響が常設されており、そのスピーカーシステムを利用した。 次に、NHKBS8K放送の受信は、NTTフレッツテレビを敷設し光回線経由で受信し市販のチューナーを通して8Kプロジェクターに送って上映した。衛星の1チャンネルの帯域に限りがあり、85Mbps程度に圧縮されているため、配信による画質よりはやや劣るが、大画面に臨場感は十分に楽しめるものと確認できたという。 8月24日は、NURO回線が常設の竹芝ポートホールで、8Kコンテンツを再生し、NURO回線経由でアップリンクし、横浜の「高度映像配信プラットフォーム」を経由して、ライブ型で竹芝と大田区の2か所にストリーミング配信した。NUROはアップリンクでも常時300~~700Mbpsの帯域があり、問題なく横浜のプラットフォームまでライブ配信することができたという。ダウンリンクでは、竹芝も大田区も画質劣化もなくスムーズにライブストリーミング配信を受信し大画面上映した。 愛媛県東温市の「シアターNEST」は、NTTフレッツ光のファミリータイプで、50~100Mbpsの程度の帯域で変動があったため、ストリーミング型とダウンロードダウンロード型(事前に時間をかけてストリーミング配信し、そこから再生上映する方法)を併用して大画面上映した。 数年前から開発を進めてきた「4K8K高度映像配信システム」は、すでに実用化段階にあり、今回の一連の実証実験でも確かめられた通り、臨場感溢れる4K8K高精細コンテンツを、低コストで身近な施設で日本中世界中の人々が手軽に楽しめる仕組みが誕生しつつある。さらに、令和2年度の実験で確かめられたように、「4K8K高度映像配信システム」は、8Kカメラを搭載したカメラを搭載したドローンが被災地を撮影して配信する配信する「防災分野」でも、8K内視鏡カメラによる「医療分野」でも、大きな役割を果たすことが期待されている。今後、「4K8K高度映像配信システム」のさらなる課題検証を進め、様々な分野で産業横断的な利活用を目指して取り組んでいくとしている。