「ケーブルフェスタ2022」(名古屋)開催レポート

 「ケーブルフェスタ2022」が10月7日~8日に名古屋で開催された。今回のテーマは「つながる魅力 広がる楽しさ」で、地域密着放送メディアとして業界の発展につながるイベントを目指したもの。 10月7日はホテル名古屋ガーデンパレス(第一会場)において、ケーブルセミナー、基調講演、意見交換会、展示会を開催。10月8日~9日はオアシス21 銀河の広場(第二会場)において、ステージイベント、専門チャンネルブース展示、ケーブルテレビ相談会、加入者謝恩などが行われた。なお、オアシス21 銀河の広場には2日間合計で5万2894人が来場した。 今回はホテル名古屋ガーデンパレスの展示会の模様をレポートする。 ◇パナソニック コネクトは「Connect To Tomorrow ~現場を未来へつなぐ~」をテーマに、長年培ってきた技術を結合することで、様々な課題解決に応える最適なソリューションを出展した。 新たにリリースしたブルーレイディスク対応4K―STB「TZ―BT9000BW」を実機展示した。同機は4K放送対応チューナーを3基搭載しており4K放送3番組同時録画が可能な他、2TBのHDDを内蔵し、さらにBS4Kは4K解像度のまま長時間録画が可能。加えて各種動画配信サービスに対応しており、膨大なコンテンツをSTBで楽しむことができる。 ケーブル技術ショーでも展示した視聴情報収集・可視化サービスも紹介。視聴状態収集を使いやすくリニューアルし、データ分析結果を効果的に伝えるダッシュボードを導入。ユースケースごとのダッシュ必要な情報にすばやくアクセスできる。また、視聴・録画状況に加え、OTT機能の可視化に対応し、STBの利用状況を詳細に把握できる。さらに、視聴実績を活用しCATV多チャンネルの視聴・録画の利用を促進するため、使用者の趣味嗜好に沿った番組をおすすめとするSTB向け番組レコメンドサービスも実動作させながら紹介した。 継続したSTB利用に対する負担を軽減するSTBアフターサポートや、「現場マルチネットワークサービス」、「IT/IPプラットフォーム KAIROS」といったソリューションも紹介した。 この他、ローカル5Gによる地域DX支援も展示、実際の事例としてシー・ティー・ワイ(CTY)を紹介した。CTYは、四日市市と四日市市都市再生協議会において策定した、「四日市スマートリージョン・コア実行計画」の推進にあたり、相互の連携・協力に関する事項地域の活性化や市民サービスの向上等に連携して取り組むことを目的に協定を締結した。ICTを活用した街づくりを行うもので、具体的には街の中心部再編エリアの高速ネット環境を整備する。パナソニックは、顧客業務課題、エリア環境に合わせた最適なネットワークの提供と、導入~構築~運用、障害復旧までのトータルサポートを提供している。    ◇ ◇マスプロ電工のデジタルレベルチェッカー「LCV4A」は地上デジタル放送、BSデジタル放送、110度CSデジタル放送、スカパー!プレミアムサービスに加え、新4K8K衛星放送の映像と音声の確認ができる。新4K8K衛星放送では、受信レベル、C/N、BER、コンスタレーション測定が可能。同一の放送帯域内で独自チャンネル配列を登録、呼び出しできる測定チャンネル登録機能や、対応する放送帯域から測定したチャンネルを選択できるチャンネルマップ機能など効率よく信号測定できる便利機能を搭載している。さらに、内蔵したGPSで取得した位置情報を基に近隣の地上デジタル放送中継局を検索し、親局、中継局ごとに局が近い順に表示できる中継局検索機能も搭載。 光メーター「VOPSL」は、RF出力機能を備えており、同社のデジタルレベルチェッカー(LCV4AもしくはLCT5)と組み合わせることにより、光変調度および信号品質の測定が可能。光レベルの測定は光パワーメーター単体でも測定可能であり、コンパクトサイズのため持ち運びも簡単。光レベル測定範囲がマイナス20~プラス3dBmで、V―ONUの光入力レベル範囲に対して広く測定ができ、V―0NUの設置工事における光入力レベルの測定に最適としている。 この他、ケーブルテレビ網を利用したFM音声告知放送システムに対応するケーブルラジオ「CR3CA」も紹介した。自治体やケーブルテレビ局からの告知放送の受信・聴取に対応する他、告知放送を受信したときは自動で電源が入る。    ◇ ◇ミハル通信は「ケーブル技術ショー2022」の出展内容から来場者の関心の高かった展示を出展した。 メインは「地デジ自主Hybridcast高度ケーブル自主システム」。動画配信プラットフォーム「3rdNet」(イノコス)を用いた地デジ自主放送ソリューションを紹介。「3rdNet」は動画配信に求められる機能をコンパクトにまとめた配信プラットフォームで、同時視聴1000人に耐えうるCDN経由の配信に対応する。送信先を限定した24/365のIP放送も低料金で可能(カスタマイズ)の他、DRMやCMSにもカスタマイズで対応する。ブースでは、同社の鎌倉本社(神奈川県)で撮影しているライブ映像をHybridcastを使用してモニターに表示するデモを実施していた。 この他、屋外向けエンタープライズメッシュWi―Fi(PicoCELA)も紹介した。有線が不要なため、これまで無線LANの構築ができなかったエリアや一時的な無線LAN網も構築が可能になる。企業向け無線LANアクセスポイント機能により、無線LANのアクセスポイントとして使用できると同時に、エッジコンピュータとして様々なカスタマイゼーションに対応する。すでに、プロゴルフ中継に使用された実績があり、従来必要だったアシスタントが不要で、カメラマン一人で対応できたという。(全文は10月26日付4面に掲載)