
日本IBM、「NHKシステム開発・移行中断」に関する見解を発表
日本IBMはこのほど、NHKシステム開発・移行中断の件について、経緯と見解を発表した。
「2025年2月4日、日本放送協会(NHK)より、日本アイ・ビー・エム株式会社(当社)に対し、営業基幹システムの開発・移行業務(本プロジェクト)に関する業務委託契約の解除に伴う既払の代金の返還及び損害賠償を求める民事訴訟を東京地方裁判所に提起したこと、およびこれまでの経緯が公表されました。
当社は、本日時点において訴状を受領していないことから、NHKによる請求内容に関するコメントは差し控えますが、経緯に関する当社の見解についてご説明いたします。
本プロジェクトは、NHK指定の移行方針のもと営業基幹システムを新しい基盤へ移行するものであり、プロジェクト開始後に現行システムの解析を実施の上、移行方針及びスケジュール等を確定するという契約に沿って検討を進めてまいりました。
現行システムの解析を進める中で、提案時に取得した要求仕様書では把握できない、長年の利用の中で複雑に作り込まれた構造となっていることが判明したため、当社はNHKに対し、解析の進捗状況、課題およびそれに対する対応策を随時報告し、共にその対応を検討してまいりました。こうした中で当社は、同システムを利用する業務の重要性も鑑みて、NHK指定の移行方針による2027年3月までの安全かつ確実なシステム移行にはリスクを伴うことを伝えてまいりました。そして、2024年5月に、従来の納期のもとで品質を確保した履行は困難であることを報告し、取りうる選択肢とそれぞれの利点およびリスク等を提示いたしました。 NHKは、これをふまえて契約を解除することを決定されました。
当社は、これまでの解析・調査結果等をふまえて、より確実な移行方式の実現に向けた建設的な協議の開始について、2024年の夏以降、先月に至るまで幾度も申入れてまいりました。しかしながら、NHKは、協議の開始に応じることなく代金の返還と損害賠償請求を主張するにとどまり、この度当社に対し訴訟提起したことを公表されました。
こうした結論となり、当社としては大変残念ではありますが、当社は、これまでと変わらずNHKと協議の継続を希望します。
並行して、当社は訴状の内容も検討し、裁判のなかで当社のこれまでの対応と見解を主張してまいります」。
この記事を書いた記者
- 放送技術を中心に、ICTなども担当。以前は半導体系記者。なんちゃってキャンプが趣味で、競馬はたしなみ程度。
最新の投稿
放送ルネサンス2025.02.20放送100年 特別企画「放送ルネサンス」第30回
放送2025.02.19文研フォーラム、3月18~19日にオンラインで開催
実録・戦後放送史2025.02.19「公聴会・総括質疑」
放送2025.02.19NHK、AI自動翻訳機能による多言語字幕サービスを終了