MoIPコンソーシアム、監事にNEC濱崎氏/4つのWGで人材育成や普及促進図る

 MoIPコンソーシアム設立総会では、監事の選任が行われ、濱崎理佳氏(NEC メディア統括部長)が選任された。濱崎氏は「この場でご挨拶させていただいておりますが、私はどちらかというと放送設備というよりはIT系の出身です。コンテンツ制作の世界ではIP化ということで、ようやく私どもの技術が協力できる範囲が広がってきたなと思っているところです。
 弊社は2019年からInter BEEのIPパビリオンに参画させていただいておりまして、特に昨年度に関してはIP設置を通したシステム連携ということでマスター設備中心に対応してきたんですけれども、IPに新たにAI、クラウドセキュリティといった汎用技術を取り入れてより効果的な効率的に次世代のコンテンツ制作を提案するためにいろいろな技術を取り入れて展示しました。
 今後幹事ということで皆様と連携させていただくことになるかと思いますのでどうぞよろしくお願い申し上げます」と挨拶した。
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 同コンソーシアムでは、主に取り組む課題においてそれぞれワーキンググループ(WG)を設置している。
プラットフォームWG主査の榎戸真哉氏(ネットワンシステムズ)は、活動目的および目標を「コンテンツ制作の様々な場面を想定し、現実的に適用可能な新たな放送システムのリファレンスモデルを策定し共有する」とし、そのため最適な設計、適正な調達、市場発展、正しい評価を行い、放送設備のデジタルトランスフォーメーション(DX)を実現する。スケジュールは4月にキックオフに行い、11月Inter BEE後にそれまでの検討してきたことのフィードバックを実施、2026年1月から分科会をスタート、同3月に分科会報告をする予定だ。
 ワークフローWGの主査は平井郁雄氏(TBSテレビ)。同WGの目的はクライアントサイドの課題解決(ROI改善/人材開発など)で、そのための目標としてMedia over IPによってもたらされるワークフローDXの共有と、クライアント視線に立ったMedia over IP標準化の推進(ゆるい標準化)としている。活動内容は、クライアント側の要望のまとめ、クライアントとベンダー同士の意見交換を促進、マルチベンダーを見越したIP空間などの推奨モデルの提案、海外・国内のMedia over IP導入事例の調査報告、ITベンダーの放送業務理解を促進など。スケジュールはこれから検討するとした。
 IP人材育成企画WGの主査は川崎祐樹氏(東京エレクトロンデバイス)。活動目的および目標は、セミナーや実践的なトレーニングを企画し、会員の技術力向上を促進すること。IP技術の基礎から応用までの知識やスキルを習得できるように支援し、MoIPシステムの導入や運用管理を適切に行えるよう、実践的な学習機会を提供する。さらに、IP技術の習得を通じて、会員が新しいアイデアやワークフローを創出し、実現できるよう支援する。4月24日にコンソーシアム会員向け「IP基礎技術セミナー」を開催予定。4月18日にキックオフミーティングを行い、5月中旬には定例ミーティングを実施する予定。普及広報WGの主査は長谷川幹人氏(Zabbix Japan)。会員に向けて活動成果や集約化したMedia over IPに関する情報の周知や会員の交流促進、会員の増強などを目的としている。キックオフは5月15日15時~を予定している。

プラットフォームWG主査・榎戸真哉氏

プラットフォームWG主査・榎戸真哉氏

ワークフローWGの主査・平井郁雄氏

ワークフローWGの主査・平井郁雄氏

IP人材育成企画WGの主査・川崎祐樹氏

IP人材育成企画WGの主査・川崎祐樹氏

普及広報WGの主査・長谷川幹人氏

普及広報WGの主査・長谷川幹人氏

この記事を書いた記者

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成澤誠
放送技術を中心に、ICTなども担当。以前は半導体系記者。なんちゃってキャンプが趣味で、競馬はたしなみ程度。