民放連 遠藤会長 定例会見で「放送界全体の問題として信頼感を取り戻すことが大切」と語る

 一般社団法人 日本民間放送連盟(民放連、東京都千代田区、遠藤龍之介会長〈フジテレビ副会長〉)は3月19日、都内で会長定例会見を開いた。
                                             

 2023年6月に起きた女性とのトラブルで引退したタレントの中居正広氏をめぐる一連のフジテレビの事案発生に伴い、連盟の会長職を辞任する意向を表明している遠藤会長は、「私が属するフジテレビのトラブルにより、多くの皆さんに民間放送に対する不信を招きかねない事態となってしまった。このような状況の中で私が民放連の会長を続けることは民間放送業界全体にとって決してよいことではないと考えた。任期中ではあるが、民放連会長職の辞任を決意した。この場を借りて深くお詫び申し上げる」と改めて謝罪した。遠藤会長はフジテレビの副会長職についても、第三者委員会から報告書が提出される3月末をめどに辞任する意向を示している。
 
 民放連は、同日に開かれた理事会で会長推薦委員会を設置し、遠藤会長の辞任後は次の会長が選定されるまで、堀木卓也専務理事が会長の職務を代行すると発表した。会長推薦委員会は、鶴井亨氏(北海道文化放送社長)、檜原麻希氏(ニッポン放送社長)、酒井昌彦氏(NST新潟総合テレビ社長)、伊豫田祐司氏(中京テレビ社長)、今村俊昭氏(朝日放送テレビ社長)、飯田政之氏(広島テレビ社長)、廣瀬健一氏(福岡放送社長)の7名。委員会の議長は開催された際に互選する。委員会の開催は未定。
                                                    

 2022年6月に民放連会長に就任した遠藤会長はこれまでを振り返り「就任以来、“民間放送の価値を最大限に高め、社会に伝える施策”に全力で取り組んできた。デジタル社会への対応や、人権への意識を高める方策など、一定の成果があったと思える面もあるが、まだステップの途中と思う部分もある。新しい会長の方には、民間放送のさらなる発展のためにご尽力いただくことをお願いしたい」と述べた。
 広告出稿が止まるという前代未聞の状態が続いたフジテレビに今後、求められることについては、民放連会長の立場から「第三者委員会の提言に沿って再発防止策や新たなガバナンスや人事などを説得力ある形で展開することが必要だ。フジテレビ個社の問題だけでなく、放送界全体の問題として信頼感を取り戻すことが大切だと思う」と発言した。