
第100回「放送記念日式典」開催
NHK(日本放送協会)は3月14日、放送開始から100周年を記念した第100回放送記念日式典をNHKホールで開催し、多数の来賓や関係者などが参加した。放送文化の発展に寄与した人々を対象とする第76回日本放送協会放送文化賞の贈呈式や、職員の業務の功労をたたえるNHK会長賞などが催された。
主催者を代表してNHKの稲葉延雄会長が登壇し、「2025年は放送開始100年という日本の放送史における記念すべき年。それにちなんで今回の受賞者は日本の放送文化、放送制度の具体化に貢献した方々から選ばせていただいた。今から100年前の大正14年(1925年)3月22日0、NHKの前身の一つである社団法人東京放送局が東京芝浦から日本初のラジオ放送を開始した。そのきっかけとなったのは1年半前に発生した関東大震災だったと言われている。未曽有の大災害で根拠のない流言飛語が広まったことへの反省を踏まえて、当時の人々が正確で信頼できる情報を誰もが入手できる手段が必要だという切実な願いから放送というメディアが生まれた。それから100年が経った今、本当のことを知りたいという人々の思いは一層強まっていると感じる。それはSNS等で真偽が定かでない情報が氾濫し、かえって本当の確かな情報が入手しにくい状況だからではないか。そうした中で、私たちNHKは視聴者、国民が本当に知りたいと思っていることに真正面から向き合い、応えていく責務がある。このところ既存メディアに厳しい目が向けられているが、100年前の放送開始から先人たちが抱いていた高い志と情熱を思いつつ、長い歴史で積み重ねた抱負な経験、知見を活かし次の100年の視聴者の期待に全力で応え続けてまいりたい。本年10月からはNHKのインターネット業務が任意業務から必須業務になり、位置付けが大きく変わる。インターネットを通じた番組や関連情報配信が放送と同様の位置付け、実施しなければならない必須業務に格上げとなる。歴史的な転換点とも言える必須業務化に当たり、正確で信頼できる情報やコンテンツを質・量ともにこれまで以上にしっかりお届けしたい。視聴者、国民に確かなよりどころとなる情報を積極的にたくわえ、情報空間の参照点としての役割を果たし健全な民主主義の発達に貢献したい。引き続き理解と支援を」と呼び掛けた。
(全文は3月22日付紙面に掲載)
この記事を書いた記者
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