WOWOW、新音声中継車を公開~96kHzやDante採用など最新技術を導入

 WOWOWは11日、新音声中継車をメディア向けに公開した。
前中継車は2009年3月に運用を開始しており、WOWOWの音声中継車としては15年ぶりの更新となる。なお、前中継車は子会社のWOWOWエンタテインメントの所属となり、WOWOWグループとして音声中継車は2台体制で運用される、
 新音声中継車の特徴はまずサンプリングレート96kHz対応がある。同社の音声中継者は48kHz対応だった。それでもCDよりは高音質なサンプリングレートであり、放送業界では一般的なスペックでの対応だった。今回2倍のサンプリングレートである96kHzに対応、いわゆるハイレゾオーディオと言われるものにも対応できる。アーティストからの要望があったほか、コンサート会場でのPAの制作も96kHzの音声で制作されることが多いので、ついに待望の対応ということになる。
 新音声中継車はTM NETWORKの40周年ライブで初運用された。2025年4月8日、9日に横浜アリーナで開催された同ライブで使用されており、その模様は、5月31日(土)午後9:00~「TM NETWORK YONMARU+01 at YOKOHAMA ARENA」(WOWOWプライム)で見ることができる。
 同社技術センター 制作技術ユニット エンジニアの戸田佳宏氏によるとこの新音声中継車の価格は「億レベル」だという。「この車はWOWOWの番組で、もちろん使うんですけども、子会社のWOWOWエンタテインメントという会社が技術の業務委託を受けてまして、いろんな現場、他局さんのお仕事があるかもしれませんし、パッケージの仕事ですとか今はもう多岐にわたる仕事をやっておりますので、ぜひいろんな皆さんに使っていただいて、素晴らしい作品をアーティストの皆さん、あるいはスポーツ選手の皆さんと、世界にお届けできればなと思ってます」と語る。他社にレンタルする場合、基本的には新音声中継車+1名のエンジニアのパッケージになるという。また、レンタルは基本的には1日あたり価格となる。(全文は4月16日号3面に掲載)
 トップ画像は同社技術センター 制作技術ユニット エンジニアの戸田佳宏氏

新音声中継車

新音声中継車

拡幅した状態

拡幅した状態

拡幅部

拡幅部

拡幅部(Bルーム)の内部

拡幅部(Bルーム)の内部

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成澤誠
放送技術を中心に、ICTなども担当。以前は半導体系記者。なんちゃってキャンプが趣味で、競馬はたしなみ程度。