WOWOW/TBS、技術振興賞 進歩開発賞を受賞

WOWOW(東京都港区、山本均社長執行役員)と、TBSテレビ(東京都港区、龍宝正峰社長)が2024年3月に無償提供を始め、2024年11月から有料プランを開始している、独自プロトコルによる映像伝送ソフトウェア「Live Multi Studio」(LMS)が、一般社団法人映像情報メディア学会から、第52回・2024年度 技術振興賞 進歩開発賞(現場運用部門)を受賞したと発表した。
 技術振興賞 進歩開発賞(現場運用部門)は、運用、開発、製造等の現場において、映像情報メディアに関する方式、システム、機器、デバイスの有益な改良、あるいは運用・技術管理面での優れた考案を行ない、実用に供し、顕著な効果を示したものに与えられる賞。
 LMSは、一般的なインターネット回線を用いた、これまでにない放送クオリティーの映像伝送ソフトウェア。
 超低遅延での伝送、ポートの開放が不要となり簡単に接続、制御信号の送信も可能という特徴に加え、特許技術〝Multi Latency”(TBSで特許を取得。特許第7431207号)を使った独自機能も備えている。各社では、遠隔地からの機材操作を伴う映像制作(リモートプロダクション)や、スマートフォンを使った放送クオリティーの簡易中継など、プロフェッショナルの現場においてもその利便性と安定した品質でユースケースが拡大している。またその特性から、映像制作業界はもちろんのこと、VTuber事業、イベントやメディアアート、機器遠隔制御等、別業界からも注目を集めている。
 LMSは、TBSとW OWOWが共同で開発した独自プロトコルによる映像伝送ソフトウェア。放送現場の要求水準を満たす品質の高さにより、リモートプロダクションをはじめとする映像制作分野で多くの利用実績を重ねている。
主な特徴は以下の通り。
 ▽公衆インターネット網で、ポートの開放等を意識せず、簡単に接続 
 ▽遠隔からでも違和感なく、機器操作が行なえる低遅延環境を提供
 ▽ネットワークの乱れによる映像信号の欠落や揺らぎを修復
 ▽映像や音声以外にも、制御信号を送受信することが可能
 現行プロトコルでは実現が難しかった機能を、すべて提供できるソフトウェアになる。今後も、さまざまなアップデートを予定している。

LMS

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この記事を書いた記者

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成澤誠
放送技術を中心に、ICTなども担当。以前は半導体系記者。なんちゃってキャンプが趣味で、競馬はたしなみ程度。