パナソニック 最先端IT活用の次世代プラットフォーム

 パナソニックの社内分社であるコネクティッドソリューションズ社(東京都中央区、樋口泰行社長)は、プロスポーツ、コンサートなどの各種イベントおよび放送局の映像制作・会場演出・映像配信の用途に向けて、ライブ映像制作のクオリティと生産性を飛躍的に向上させる次世代ライブ映像制作システム「IT/IPプラットフォーム“KAIROS(ケイロス)”」を9月より発売すると発表した。 近年、ライブ映像制作においては会場での複数のプロジェクターを使ったマルチスクリーンやLEDビデオウォールへの映像表示など、より高い臨場感を提供するための新たな技術への適応が求められている。また、新型コロナウイルス感染症の影響により喫緊の課題となったIP化によるリモート制作など映像制作の生産性を向上するための新たな技術への適応も課題tpなっている。こうした技術要件の進化は目覚ましく、将来を見据えた機材選定という難問に応えるのが「KAIROS(ケイロス)」という。 ハードウェアはCPU/GPUを持つ汎用IT機器を採用することで最先端のIT技術を享受し、GPUを使い従来にない高い自由度のライブ映像処理を低遅延で実現する独自の革新的なソフトウェア技術を基幹に、オープンソフトウェアアーキテクチャーを採用することで、システムとして高い柔軟性と拡張性を擁する。 KAIROSはSDIなどベースバンドだけでなく、ST 2110、NDIなど多彩な映像入出力に対応。ベースバンド信号(12G/3G/HD―SDI、HDMI、Display Port)、IPパケット(ST 2110、NDI、RTP)の入出力をフルにサポートする。接続できる入出力数には制限なく、外部ルーターを使用した場合と同様の多入力運用が可能。同時使用数(オプション使用時最大)はHD(3G)で32入力/16独立出力、4K(UHD)では8入力/4独立出力。 最新のIPテクノロジーをフルにサポートし、ライブビデオ制作のリモートオペレーションを実現する。GPUで映像処理をすることにより、ME数、KEY数に制約されないマルチレイヤー、解像度や画角にとらわれない“CANVAS”スクリーンなど、自由な映像制作が可能。RAMレコーダー(8 ch/非圧縮)とメディアプレーヤー(HD 2 ch/圧縮)を備え、システム内で動画ファイルを再生し映像ソースとして使用可能で、静止画ファイルにも対応している。 直感的で使いやすいGUIソフトウェア、レイアウトを自由にカスタマイズできるコントロールパネルは操作性にすぐれ省スペースでの運用を実現する。なおかつ、最短1フレームの低遅延を実現し、PTP同期もサポートしているため、スポーツシーンやミュージックライブにおいても臨場感を損なわないライブ演出が可能。 価格(税別)は、メインフレーム(映像信号処理)「Kairos Core 100(品番:AT―KC100T)」が280万円、 コントロールパネル(操作パネル)「Kairos Control (同AT―KC10C1G)」が270万円、GUIソフトウェア(各種設定および操作「Kairos Creator(同AT―SFC10G)」が25万円。また、オプションも9月発売で、価格(同)は4Kオプション「AT―SF001G」が65万円、I/O拡張オプション「AT-SF002G」が65万円、CANVASオプション「AT-SF003G」が65万円、NMOSオプション「AT-SFE03G」が55万円。 この他、ソフトやハードを問わず急速に進化するITエコシステムの活用を加速するために、“KAIROSアライアンスパートナーズ”を設立した。パートナー製品との連携やシステム統合化を推進し、次世代映像制作プラットフォームのデファクトスタンダードとなることを目指している。「KAIROS」はパナソニックが推奨するコンセプト「スマートライブプロダクション」の中核となる「創る」を担い、当社が強みを持つ「撮る=カメラ商品群」「映す=プロジェクター/ディスプレー商品群」の商材を有機的に繋ぎ、積極的なビジネス展開を図っていくとしている。