光和 最新映像機器内覧会レポート
光和は、1月18日(木)~19日(金)に本社ビル(東京都江東区)において、「KOWA2018最新映像機器内覧会」を開催した。前号に続きその模様をレポートする。◇ ATENジャパンは、「KE8952」や「VE2812T」、「US7220」などを展示した。KE8952はPCのコンソール(USBキーボード/マウス・HDMIモニター)をイントラネット経由で延長できるHDMI対応IP―KVMエクステンダー。1Gbps SFPファイバーモジュールに対応しているため、光ファイバー回線を経由した延長接続も可能。PCを接続するトランスミッター(KE8952T)とコンソールを接続するレシーバー(ユーザーステーション:KE8952R)から構成され、各ユニットには固有のIPアドレスが割り当てられるので、1対1、1対多、多対1、多対多での通信ができまる。トランスミッターとレシーバーはカテゴリ5e/6ケーブルを使用して直接接続することも、ハイスピードネットワークや光ファイバー回線を使用したLANを経由して接続することもできまる。また、PoE(Power over Ethernet)に対応しており、電源はPoEネットワークスイッチから給電されるため、電源アダプターの接続や電源の設定に関するコストを省くことができる。VE2812Tは、対応レシーバーと併用することで、VGAとオーディオ信号およびHDMI信号を1本のカテゴリ6aケーブルやATEN製HDBaseTアライアンス推奨カテゴリ6 SF/UTPケーブル(型番:2L―2910)で、最大100㍍延長できるHDMI&VGAツイストペアケーブルトランスミッター。3D、Deep Color、HDロスレスオーディオフォーマットに対応したHDMI信号を安定して延長送信するとともに、VGA信号とオーディオ信号も最大100㍍延長送信できる。ロングリーチモード機能を使用することにより、HDMI信号を解像度1080pにて最大150㍍延長することも可能。US7220は、周辺機器とThunderbolt機器を2台のMacでの共有・切替を実現する2ポートThunderbolt 2シェアリングスイッチ。ケーブル1本でThunderbolt機器、モニター2台、およびUSB周辺機器が2台のMacと共有できる。データ転送速度は20Gbpsに対応し。周辺機器の他に、キーボードやマウス、モニターもボタン1つで、共有・切替できるため、KVMシェアリングスイッチとしても使用できる。Thunderboltの特性を活かして、さらに最大4台のThunderbolt対応機器をデイジーチェーン接続できるため、Thunderbolt対応モニターやビデオキャプチャデバイスに加え、USBドライブ、プリンター、HDカメラ、キーボード、マウス等、最大11台の周辺機器を接続することが可能。 ジャパンケーブルキャストは、映像伝送向けVPNサービス「ライブ男爵」を紹介した。ライブ男爵は、音楽ライブやスポーツイベント・社内イベント・カンファレンスなど、各種イベントを扱う企業や、映像・音響機器を扱う業者向けの繋げるだけの映像伝送向けVPNサービス。配信センターなどを経由せず居転換を直接結ぶので低遅延な映像中継が可能であり、ニーズに合わせてフルハイビジョンや非圧縮音声等のハイクオリティな映像伝送が可能。また、面倒な機器初期設定などは事前に同社スタッフが担当するので簡単に使用することができる。ブースでは、本社(東京都千代田区九段南)から撮影した映像をフレッツ回線でブースまで送り表示していた。使用した機材は、NECのルータ「UNIVERGE IX2207」、アイベックステクノロジーのH.265/HEVCデコーダ&H.264コーデック「HLD―540DC」、NTTエレクトロニクスの4K/HD/SDデコーダ「HC11000D」など。 ケイアイシーは、透過型貼るLEDフィルム「グラス・フィット(GLASS FIT)」を展示した。グラス・フィットは、透明シートにLEDを配置、既存のガラスなどに直接貼り付けることが可能。採光はもとより、動画・静止画のデジタルコンテンツや情報を表示させることができる。LEDは30㍉ピッチで配置されており、高輝度LEDを採用することで発光時に側面からでも十分に認識が可能。また、取扱う第二本印刷の広視野角張り込み型短焦点スクリーン「dnp Supernova STW」も展示した。教室や講堂などの広い視野角を必要とする設置環境での使用を想定しており、水平ハーフゲイン85度の広視野角を実現した。リフレクタがプロジェクター入射光側に向けられており、映像がビューワ方向に効果的に反射する。また、上方からの環境光はブラックレンズが吸収し、ビューワへの反射を抑制することでコントラストを高める構造になっている。 エーディテクノは、ディスプレイやコンバーター、ケーブル、プロセッサなど豊富なラインナップを展示した。このうち、27型ワイド業務用マルチメディアディスプレイ「SL2700S」および31・5型ワイド業務用マルチメディアディスプレイ「SL3150S」は、2018年2月発売開始予定モデルで、は高解像度(1920×1080)、広視野角(水平178度/垂直178度)および高コントラスト(3000:1)のLED液晶パネルを採用。 SDI・HDMI・DVI―D・VGA・Sビデオ・コンポジットビデオ(BNC)入力の各端子を搭載し様々なソース機器との接続に対応。 また、SDI入力端子から入力された映像信号をそのままパススルー出力できるSDI出力端子も搭載しており、 同ディスプレイに入力されたSDI信号を他の映像録画機器や液晶モニターなどに接続することも可能。興和光学はスイッチャーを中心に、インジェクタや延長器、ケーブルなど幅広く紹介した。このうち「KS1208SL」は、入力5種類、出力4種類の専用ボードを組み合せることでアナログRGBから HDMI(4K/30Hz)、3G―SDIまで幅の広い映像信号に対応することができるスロット型マトリックススイッチャー。専用ボードは2系統入力/1ボード、2系統出力/1ボードとなっており、入力最大12系統、出力最大8系統の12×8のマトリックス構成が可能。また今後、4Kボード(60Hz HDMI2・0、HDCP2・2対応)、多機能なマルチ画面ボードなどの販売も予定しているため、拡張性にも富んでいるという。 パナソニックは各種プロジェクターの他、3チップDLPプロジェクター用魚眼レンズ「ET―D3LEF70」も参考展示した。2018年冬発売予定モデルで、最大画角183度の全天周投写(レンズシフト含む)、WQXGA(4K+)投写に対応、広角レンズシフト(垂直:最大±37度、水平:最大±17度)で柔軟に投写、近接投映での周辺フォーカス補正など多くの優れた特性を有する。この他、プロジェクターとパフォーマンスを組み合わせたデモも実施していた。ダンスや動きに連動して様々な映像を投射するものだが、パフォーマーとプロジェクターはトラッキングシステムで繋がっており、激しい動きにもスムーズに追随していた。セイコーエプソンも3LSD方式のレーザープロジェクター「EB―L25000U」を中心に各種プロジェクターを多数実機展示していた。また「EB―L20000U/L12000Q」を参考展示した。いずれも4K対応モデルで、輝度は2万ルーメン/1万2000ルーメン。◇ 最新映像機器内覧会恒例である同じカテゴリの製品を並べての比較展示は、プロジェクターで実施した。今回はエプソンの「EB―L25000U」とパナソニックの「PT―RZ21KJ」の比較展示だったが、いずれも鮮やかで甲乙付けがたい映像だった。
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