NHK 2018‐2020年度 経営計画
NHKは16日、経営委員会で2018―2020年度の経営計画と平成30年度収支予算・事業計画が議決されたと発表した。同日、東京都渋谷区のNHK放送センターで会見を行った。会見には、石原進経営委員長、上田良一会長、坂本忠宣専務理事らが出席した。会見の冒頭に石原委員長から、経営計画の策定にあたり執行部とともに長時間に渡って真摯な議論を行うともに、経営委員会としての『見解』を提示し、それが経営計画に反映されていることなどについての話があった。続いて、上田会長が2018年からの3カ年経営計画における重点事項やポイントなどについて説明した。 会見の冒頭、石原経営委員長は「本日、経営委員会は、『NHK経営計画(2018―2020年度)』および、平成30年度の収支予算、事業計画、資金計画について、全会一致で議決した。この経営計画は、2020年の東京五輪・パラリンピックにおいて最高水準のサービスを提供すること目指した『NHKビジョン2015→2020』の第2ステップとして、『4K8K本放送の開始』『東京五輪・パラリンピック』『海外への発信力の教科』などのサービス提供や、放送センター建て替えなどの計画の具現化を盛り込んでいる。また、様々な問題が具現化している、契約収納活動への対応や、マネージメント改革、経費削減なども織り込んだうえで、新たな視聴者の負担軽減策も実施する。これらを踏まえ、経営委員会では、この3年間のNHKの計画として適切だと判断した。 一方、この3ヵ年の間、放送と通信の融合の進展や、それに伴う収納制度の研究など、現時点では未確定で、かつ急激に変化することがらへの対応も必要になっていると考えている。公共放送としての原則を守りつつ、3か年のさらなる先を見据え、議決に当たり特に重要な点について『経営委員会見解』をまとめた。 これも踏まえ、今後は次期経営計画をNHKグループ全体で共有し、上田会長のもとで心を一つにして取り組んでもらいたいと思っている。また、経営委員会もこの経営計画の着実な実施のため、自らの役割を真摯に果たしていく考えだ。 検討に際して、経営委員会は執行部と長時間にわたり議論を重ねてきたが、執行部には前向きかつ真摯な対応をいただいたと考えている。また、ご意見を寄せいていただいた多くの方々を始めとする、国民視聴者の皆さまのご支援に心から御礼申しあげます」とコメントした。 続いて上田会長が経営計画の概要を説明した。経営計画は昨年4月からNHK役員による本格的な検討を開始、同7月移行は経営委員会と丁寧かつ真摯な議論を重ねてきた。ほぼ1年がかりに多岐にわたる経営課題の検討を行ってきたが、放送と通信の融合が進む難しい時代において、NHKがどのような存在として役割をはたしていくべきか、視聴者の意見やNHKで働く職員の声をしっかりと受け止めながら策定したという。 「公共メディアへの進化を合言葉に、役職員が力を合わせて、新しい放送サービスを創造する経営計画を作ることができたことを嬉しく思うと同時に、その責任の重さに身が引き締まる思いです。私が先頭に立ちNHKグループの総力を挙げて、経営計画を着実に進めていく決意です。そしてメディア環境が急激に変化する中で、『公共メディアへの進化』に向けた新しいチャレンジにより多くのパワーを生み出すために、働き方改革などに真正面から取り組むことが私の大きな役割だと認識しています」(上田会長)。
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