第98回 放送記念日記念式典

 3月17日、放送記念日記念式典がNHKホールで開催された。 冒頭登壇した稲葉延雄NHK会長は「放送記念日には大正14年(1925年)3月22日に、NHKの前身である社団法人東京放送局が東京芝浦から日本で初めてラジオ放送を開始したことに由来して、昭和18年(1943年)に制定されました。今年で98回目ということになります。 放送法の第一条には、放送の目的として放送の効用を国民にあまねく普及する、表現の自由を確保、健全な民主主義の発達に資することと謳われています。戦後の日本において放送を通じて社会をよりよいものにしていこうという、当時の放送関係者の熱意を感じるとともに、放送の普遍的役割に改めて思いを馳せるところでございます。 今年は、日本のテレビ放送が開始して70年という節目を迎えます。日本のテレビ放送はカラー化や衛星放送の開始、デジタル化、高精細化と様々な技術革新をへながら、NHKと民間放送の二元体制の基、互いに切磋琢磨しつつ、大きく成長し続けました。 再来年の2025年には、日本のラジオ放送の開始から100年を迎えます。日本の放送が、放送法の高い志を保ちつつ、さらなる発展を遂げていくよう、全力で取り組んでまいりますので、今後ともNHK にご理解とご支援をよろしくお願いいたします」と挨拶した。 続いて来賓祝辞が行われ、まず総務大臣政務官の国光あやの氏が「日本の放送は公共放送と民間放送の二元体制で切磋琢磨をし、豊かな文化を創造し、さらに国民生活の向上にずっと寄与してまいりました。関係する皆様方のご尽力に心から敬意を表します。改めてありがとうございます。 最近の動向として、近年、情報空間が放送以外にも広がっております。若者を中心にテレビ離れが進み、放送を取り巻く環境が大きく変化をしております。インターネット空間などでは、フィルターバブルやフェイクニュースのような社会問題も顕在化しております。こうした中であるからこそ、放送事業者が信頼性の高い情報発信を行うことや、質の高い情報を多くの方に届け、多様な価値観についての相互理解を促進することはこれまで以上に、大きな活動価値を持つことでございます。 NHKの今後のさらなる取り組みに強く期待をしております」と述べた。(全文は3月22日付け1面に掲載)