パナソニック 8Kから最大4枠のHD映像を切り出し
パナソニックは、アメリカラスベガスで開催する「2019 NAB Show」(4月8日~11日)で、画期的な2つの放送システムを初披露する。本紙では、新開発のこのシステムを本日付のNAB特集号において、いち早く紹介しよう。(*NAB特集のパナソニックコーナーではブースの魅力を紹介) ●8K映像から最大4枠のHD映像を切り出す「8K ROI」カメラシステム(*注:ゴシック) 「8K ROI」カメラシステムは、8Kマルチパーパスカメラ「AK‐SHB800GJ」と、イメージプロセッシングユニット「AK‐SHU800」、フレーミング制御ソフトウェアキー「AK‐SFC101G」で構成。1台の8Kカメラを4台のHDカメラとして運用することができる。2019年7月の発売を予定している。 同カメラシステムは、高精細・広画角の8Kカメラ映像から最大4枠のHD映像を切り出し、それぞれにフレーミング(パン・チルト・ズーム操作)できることにより、1台の設置カメラで、4台のHDカメラとして運用できる。 さらに、最大8台の8Kマルチパーパスカメラを接続し、1台のカメラのフレーミング操作に他のカメラのフレーミングを自動追従させることも可能だ。周辺部の切り出しにおいても、広角歪み自動補正機能により、自然な映像を実現する。 このシステムにより、ライブイベント収録やスポーツ中継などにおいても撮影の効率化と省力化が図れ、設置・移設・輸送コストも削減する。また複数カメラの設置によって、ふさいでいた』観客席を生かすことも実現する。 主な特長は次の通り。 ①高精細の8Kカメラ映像から最大4枠のHD映像を切り出して紹介。 ②複数(最大8台)のカメラのフレーミングを連動させたマルチカメラ運用も可能。 ③広角歪みの自動補正機能により、周辺部切出し時の歪みをリアルタイムで補正。 ●新発想の4K/IPスイッチャーシステム「LPS(Live Production Suite=ライブ・プロダクション・スイート)」(*注:ゴシック) 4K/IPスイッチャーシステム「LPS」は、機能別ユニットの組み合わせにより、SDI/IPの混在環境にも対応できるもので、2019年10月より順次商品化を予定している。 MoIP(IP接続による映像伝送)は、IP 接続設備とインターネットのITインフラを活用することで、伝送距離の制約がなくなるため、中継車などローカルスタジオを使用せず、放送局からリモート運用を行うローコストオペレーションが期待されている。 また、4K/8Kの高解像度・高ビットレート伝送能力にも優れているため、放送用伝送システムとして今後の主流になりつつある。 ただ、一方で、現行のHD放送システムではSDI伝送が主流であるため、放送局からはSDIインフラと混在しながらIPに移行するシステム運用が求められてきた。 今回開発した「LPS」は、スイッチャーを構成する要素であるゲートウェイ(入出力)、クロスポイント、ME、システムマネージャーの機能をそれぞれユニット化。ユニットを選択し、組み合わせてスイッチャーを構成する。 ゲートウェイユニットにはIP/SDIの2種類があり、この組み合わせにより、IP/SDI両方の入出力に対応するユーザーの環境とニーズに応じたシステム構成が可能になる。 同社では、MoIP(IP接続による映像伝送)を、放送局の運用を効率化し、高画質化に対応できるソリューションとして積極的に推進してきた。今後もIP伝送と4K/8Kに対応したハイエンド放送機器を開発することにより、放送業界の発展に貢献する方針。
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