パナソニック ムービングミラープロジェクションを参考出展
パナソニックは、2月19日~21日に開催された「ProLight & ProVisual 2020」に出展し、世界最高輝度の4Kプロジェクターの他、参考出品として「ムービングミラープロジェクション」を展示した。 世界最高輝度5万lm 4Kプロジェクター「PT―RQ50KJ」は、ケイアイシーのオプティカルプロジェクションスクリーン「dnp Supernova」と組み合わせて展示し、4K映像を上映した。PT―RQ50KJは、3チップDLPレーザー光源プロジェクターで、世界最高輝度5万lmと広色域化技術による高い映像表現力を実現している。レーザー光源には青色と赤色の両方を採用し、複数のレーザー光源の波長を最適制御する広色域化技術により、表現できる色再現領域は従来比114%を実現し、鮮明で豊かな色彩表現が可能になる。 dnp Supernovaは、外光を吸収する独自の廉恥キュラーレンズ構造を採用したスクリーン。従来、プロジェクターは部屋を暗くして使用されることがほとんどだったが、明るいままで使用したいというニーズに対応した製品となる。明るいままで使用する場合、従来のホワイトタイプのスクリーンだと照明や外光を反射してしまい、画面が白っぽくなり、コントラストが低下する。dnp Supernovaでは、照明や外光を反射しないので、明るい環境でも本来のプロジェクターの色を忠実に再現する。様々なレイアウトやニーズに対応するため、固定タイプ、電動巻上げタイプ、大型ボードタイプ、フレーム張込タイプ、超大型対応インフィニティもラインナップしている。「コントラストに優れているので液晶モニターと間違われることも多いです。今回もLEDディスプレイですかと聞かれました」(ケイアイシー)。 一方、ムービングミラープロジェクションは、ミラーを用いて新しい演出を創り出すもの。プロジェクターからの映像を重ね合わせて演出を行うことは以前よりあったが、パノラマの映像にするためには複数台のプロジェクターが必要だった。また、重ね合わせる映像を動かそうとすると、システムが大型化し、コストもかかる。業務用プロジェクターは高輝度化に伴い大型化が進み、重量も100kgを超えるものも出てきていることから、プロジェクター自体を高速に動かすことは現実的ではない。ムービングミラープロジェクションでは、プロジェクターは固定されており、ミラーのみが動くようになっている。プロジェクターからの映像をミラーで反射させ、上下左右にミラーを動かすことで映像を動かす仕組み。 ブースでは床に設置したプロジェクターから壁面に投射された映像に、ボールや蝶々の映像を重ねたり動かしたりするデモを行っていた。1つのデモの間は同じ映像を投射し続けており、それを上下左右に動かしいたが、ほとんど映像には乱れは見られなかった。これは、小型PCにより映像の歪みを自動補正しているためだ。なお、歪を補正しているだけで、コンテンツ自体は変更していない。 基本となるプロジェクターからの映像と、ムービングミラープロジェクションは同期しているため、様々な演出を行うことができる。また、プロジェクターを覆い、画像を投射する部分のみを開口させることにより、プロジェクターの存在を消した演出も可能になる。 ミラーは高速対応だけでなく、安定性も重視したという。ゆっくりとした動きの時にも滑らかに駆動できるようにしたという。また、ズームとフォーカス機能はないが、レンズメモリでズームとフォーカスを記憶させることはできる。シーンごとに切り替えて、近い距離から遠い距離までをカバーすることが可能だ。 ミラー付きプロジェクターや補正用小型PCなどを含めたシステムとして提供していく。コンテンツ制作は直接行わないが、クリエイターが使いやすく、あまり意識せずに使用できるよう、シンプルなソリューションにしていくとした。ターゲットはイベントやライブに加えて、ウェディングも視野に入れている。「今までのマッピングという形で写すだけではなく、映像の中で動きがあるだけでなく、プロジェクターが出す画の位置を動かすので、新しい演出をご提案できればと考えています」(パナソニック)。
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