日本ケーブルラボ、第14回定時社員総会を開催
一般社団法人日本ケーブルラボ(JLabs、東京都中央区、田﨑健治理事長)は、6月22日に品川プリンスホテルメインタワー(東京都港区)で、第14回定時社員総会を開催した。 開会後、理事長挨拶、来賓挨拶と続き、議事▽【報告事項】2022年度(22年4月1日から23年3月31日まで)事業報告▽【決議事項】▽第1号議案 22年度貸借対照表及び正味財産増減計算書ならびにこれらの付属明細書承認の件▽第2号議案 理事14名選任の件▽第3号議案 監事2名選任の件と執り行われすべて満場一致で承認された。 定時社員総会終了後は、第5回功労者表彰贈賞式、特別講演会(東京大学大学院 森川博之氏)、ならびに意見交換会を開催した。 田﨑理事長の挨拶は次の通り。 2年前から当ラボでは5つの重点分野に取り組み、今年度はIPマルチキャストを用いた業界初のIP放送運用仕様をつくりあげた。RFからIP、有線から無線とケーブルテレビの事業環境が大きく変わっている中、ラボは技術の標準化機関であり、ケーブルテレビ事業者の皆さまに未来の可能性、選択肢の提案が行えたらと思う。昨年のオータムセミナーのスピーチの中であった〝再発明〟リ・インベンション。これを私どもも今年度、実現できたらと思っている。 来賓挨拶した安東高徳総務省情報流通行政局衛星・地域放送課長の内容は次の通り。 日本ケーブルラボは、ケーブルテレビの最新技術の研究開発、動向調査と業界で主に技術面から支えていただいており心から感謝を申し上げます。放送を取り巻く環境は大きく変わっている。視聴習慣が変わっているとかこれらは社会が動いていることの現れで、業界で新しいサービスを打ち出していくことが業界の発展していく鍵になる。また既存の放送サービスをしっかり送り届けることもライフラインの観点から重要である。新しいサービスの鍵になるのが技術開発である。皆さま方の役割がこの新しいサービスをつくっていく、地域に向き合っていく、環境の変化において新しいチャンスをつくっていくことである。これまで目覚ましい成果をつくっていただいており、特筆すべきことだ。 続いて宇佐見正士専務理事が【報告事項】を述べた。要旨は次の通り。 ケーブルテレビ業界を取り巻く情報通信技術が著しい進展を見せる中で、日本ケーブルラボは、ケーブル事業を技術イノベーションにより発展させるため、スピード感と適時性を念頭に5つの領域を重点分野と定義してラボ活動を推進してきた。『5つの重点分野』は①オールIP②有線③無線④新サービス⑤サービス品質―である。 5つの項目からいくつかを紹介した。 ①IP放送の運用仕様書の制定:NHKプラスやTVerによるIP同時配信の開始、総務省によるブロードバンド代替議論など、放送業界のIP化の流れが加速する中、今後のIP連携による高度なサービスの迅速な提供やRF市場縮小に伴うSTB価格高騰に備え、放送のIP化を推進。IP再放送(地デジ・BS・高度BS)では運用要件『IPパススルー方式』で2023年12月POC開始予定。IP自主放送(専門チャンネル・コミチャン)ACASでIP放送で23年12月POC開始予定。仕様書を作成。同項目でもうひとつ仕様書作成。 ②新たなFTTH構築ソリューションに関する調査:ここでの調査内容は『海外では融着のスキルを持った作業者確保が難しく、スキル要らずでプラグ&プレイにより施工のスピードを上げるコネクタソリューションに注目。設計段階で事前にドロップ箇所を決めて分配光タップとコネクタ付きケーブルを準備して利用。成果は、ケーブルテレビ局からの配信システムやMDUでの利用について提言として調査報告書「JLabs DOC097」をまとめた。(全文は6月30日付け1面に掲載)
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