民放連会長定例会見  ネットフリックスの新施策に強い憤り

 一般社団法人日本民間放送連盟(民放連、東京都千代田区、遠藤龍之介会長)は11月18日、都内で年内最後の会長定例会見を行った。 今年6月に民放連会長に就任した遠藤氏は一年を振り返り、「今年は4月に民放5社系列がそろってリアルタイム配信をスタートさせた記念すべき年となった。今後もこのような視聴者の利便性に応える民放の新しい形が進んでいくのではないか。社会のあらゆる変化に対応し、様々なニーズに応え続けるのがメディアの使命と考えている」と述べた。 NHKが10月に公表した経営計画修正案については「前田会長のリーダーシップの元、事業収入の圧縮と将来的な業務のスリム化に一定の道筋をつけたものであると考えている」と理解を示し、「経営計画修正案に対する民放連の意見はホームページで公表している通りだ。今回の受信料値下げについては評価している。三位一体改革の推進に引き続き期待する。受信料・業務・ガバナンスを公共放送として常に意識してほしいことに変わりはない」と改めて言及した。また、NHKが繰越金の一部を民放との協力のために充てると発表したことについては、「まだ具体的な提案は出ていないように思う。提案をいただいたら検討し、是々非々で申し上げたい。インフラ面を中心に協力していただけることは喜ばしい」と述べ、「海外メディアが(日本に)進出し、様々なインフラが発展するなど、この数年でいろいろなことが起きている。民放同士で切磋琢磨する側面はもちろんあるが、テレビ収入が毎年2ケタ伸びていた時代とは違い、競争領域よりも協調領域が増えたと実感している」と民放とNHKとの関係について、自身の考えを明らかにした。 記者から、動画配信サービスのネットフリックスが先ごろ始めた広告付き視聴プランについての見解を問われた遠藤会長は「大変唐突であり、進め方が非常に強引だった。大変残念であり、不快に思っている。コンテンツ提供の前提条件が唐突に変わってしまったことについて、ネットフリックスから民放事業者に対して事前に十分な説明や調整がなかったことが原因だ」と強い口調でネットフリックスを非難した。さらに「放送局側が意図しないCMが放送コンテンツと一緒に流れることは非常に大きな問題だ。民放にとっては初回放送時の提供スポンサーとの競合の懸念や、放送局が行うCM考査が機能しなくなるなど、様々な問題が発生しており、民放各局が対応に追われている」と懸念を示した。