技研公開2022 NHK 放送技術研究所 今井亨所長 interview

  NHK放送技術研究所(技研)では、最新の研究成果を一般に公開する「技研公開2022」を5 月26 日(木)~ 5 月29 日(日)までの4日間、開催する。 新型コロナウイルス感染症の感染拡大により、2020 年は開催が中止。昨年はオンライン開催となった技研公開が、3年ぶりにリアル開催される。館内の消毒やスタッフの健康管理はもちろん、来場者の密を避けるために入場を完全事前予約制とし、展示件数を例年の半分程度に絞って配置に余裕を持たせるなど、感染対策を十分に行った上での開催となる。 今年のテーマは「技術が紡ぐ未来のメディア」。技研では目指す目標と方向性を“Future Vision2030-2040” として、昨年の技研公開で公表した。 未来ビジョンの実現に向け、これまでのテレビの枠を超えた新しい体験・感動の提供を目指した「イマーシブメディア」と、いつでも・どこでも・誰もが必要とするサービスを届けるための「ユニバーサルサービス」、そして基礎研究により未来のメディアを創造し持続可能な社会にも貢献する「フロンティアサイエンス」を3 つの重点分野として、研究開発に取り組んでいる。今年の技研公開は、それぞれの重点分野における研究開発の成果が紹介される。 NHK 放送技術研究所 所長の今井亨氏に、「技研公開」のテーマ・コンセプト、今年の特徴や見どころなどを聞いた。 ◇ ――3年ぶりのリアル開催となる今回の技研公開についてお聞かせください 今井 オンラインで開催した昨年の技研公開2021は、動画などで研究内容を分かりやすくご紹介したサイトのユニークアクセス数が、例年のリアル来場者の2倍以上となりました。一方で、やはり研究成果を実機で見て体感したい、開発した研究者と直に質疑をしたい、といったリアル開催へのご要望も多く寄せられました。 そうしたご期待の声に応えるために、社会状況も踏まえたうえで、今年の技研公開は実施方法を工夫しつつ、リアルで開催することとしました。館内の消毒やスタッフの健康管理はもちろん、来場者の密を避けるために入場を完全事前予約制とし、展示件数を例年の半分程度に絞って配置に余裕を持たせるなど、感染対策を十分に行います。ご来場いただく皆様から、リアル開催ならではの貴重なご意見を頂戴できればと考えています。 また、昨年ご好評をいただいたオンライン展示についても、引き続き動画などで研究を分かりやすくご紹介していますので、ご都合により世田谷区砧の研究所にいらっしゃれない方にも、ネットで最新の研究成果をご覧いただければと考えています。(全文は第7399号に掲載)