日本CATV技術協会 第55回定時総会を開催
一般社団法人日本CATV技術協会(内田茂之理事長)は、6月10日に全国社会福祉協議会灘尾ホール(東京千代田区)で、第55回定時総会を開催した。また、定時総会終了後、2021年度CATV事業功労賞の表彰式を催した。 定時総会議事は次の通り。 報告事項:2020年度事業報告に関する件、議決事項①:2020年度決算報告に関する件、議決事項②:2020年度公益目的支出計画実施報告書に関する件、議決事項③:役員の選任に関する件。 内田理事長が主催者挨拶を行った。 「各自お忙しい中第55回定時総会にお集まりいただきまして誠にありがとうございます。式に先立ちまして一言ご挨拶をさせて頂きます。現在10都道府県に緊急事態宣言宣言が出されている状況ですので、今年も新型コロナウイルス感染拡大防止対策として出席人数に制限をかけさせていただき総会を執り行ってまいります。何卒よろしくお願い申し上げます。さて東京オリンピックの開会まであと40日ばかりとなりました。ワクチンの接種人数は今日現在で約1300万人。また65歳以上の高齢者といわれている方々の24パーセント、およそ4人に1人が1回の接種を済ませております。さらに今月21日には職域接種が開始するなどワクチン接種が加速度的に進む様相を見せている状況です。このまま各地の状況が好転し緊急事態宣言や蔓延防止等重点処置が解除され、安心安全にオリンピックが開催できるよう、また様々な経済活動が再び活気を取り戻すことを期待しております。このようなコロナ禍の状況ではありますが定時総会の開催にあたり、まずはこの1年を振り返りながら簡単にお話をさせていただければと思います。昨年度は新型コロナウイルス感染症が技術協会の活動に大きな影響、変化を与えた1年でした。技術提携を結んでいる米国のSCTEが開催するケーブルテックエキスポへの調査団派遣の中止などを含め理事会や各種委員会活動、各地の賀詞交換会や支部総会等に影響が出ました。その中において、6月3日、4日のケーブル技術ショーは無事式典の開催ができたということが一つのうれしいニュースだというふうに思います。こういう緊急事態宣言で行動も抑制されましたけれども、マスクの着用、消毒手洗いの徹底等をはじめ新型コロナウイルス感染症対策をしっかり実施し、またWeb会議を可能な限り利用することで協会活動を進めて参りました。具体的な内容ですがまずは新4K8K衛星放送サービス普及への貢献です。視聴可能機器が860万台超となり受信機の普及が進んでおりますが多くの共同住宅では左旋電波の衛星放送が受信できない状況にまだあり衛星放送受信設備の改修工事の促進を図ることが重要だと思っております。その円滑な普及促進と良好な受信環境の設備は、技術業界の重要な責務の一つであり、技術協会で策定した棟内共同受信設備改修マニュアルや、技術講習会を通じての施工技術者の育成および技術力向上を図るなど放送サービスの高度化のための支援に努めてまいります。2つ目はケーブルテレビ設備の光化の促進でございます。関係者に対する光化のための知識普及や技術力の向上を昨年度も進めてまいりました。3つ目はCATV技術者資格制度の見直しです。制度を整理統合するとともにeラーニングとCDTを採用し資格取得希望者の受講受検機会を増やし、時間的空間的な制約をなくすことで学びやすいカリキュラムの実現、受講受験者の負担軽減を図ってまいります。なお新制度は今年11月から運用を開始することになっております。このほかにも重要な活動を継続して推進しておりますが時間も限られておりますのでそれらにつきましてはこのあとの事業報告それから事業計画について詳しく説明をさせていただければと思います。最後になりますが先週開催されましたケーブル技術省の技術展示会に続き、来週の月曜日からちょうど7月31日までの予定でオンライン展示会を開催いたします。また今年のケーブルテックエキスポ、これは米国の視察であるが、今回は家電通信映像の祭典でございますNAB、これは通常4月に行われていたのがコロナの関係で10月に移りました。したがって今回は10月のツアーにつきましてはNABプラスケーブルテレビのテックショーということで、通常は1回の渡航だけでは見られない2つの大会を視察できるような計画等準備を進めております。それから新技術等の調査研究を進め技術協会ならびに業界のさらなる発展につなげたいと思っておりますのでぜひご参加をいただければと思います。日本CATV技術協会は今年も関係メーカー工事業者を中心とした会員構成の特徴を生かした事業計画を積極的に展開してまいります。今年度も会員各社様のご協力をお願い申し上げまして、会議の冒頭に当たりましてのご挨拶とさせていただきます」。 2020年度事業報告の要旨は次の通り。 2020年度は新型コロナウイルス感染症対策のため、第2級CATV技術者資格の講習及び米国最新動向調査団の派遣を中止し、ケーブル技術ショー2020をオンライン開催とした。一方、ICTの活用等により、米国調査団派遣を除く調査研究事業、CATV技術に関する標準化に係る事業、受託事業及びデジタル受信相談・対策事業は、概ね計画どおり実施することができた。新CATV技術者資格制度については順調に整備を進めることができ、計画どおり2021年11月から新制度による受講受験受けつけ及び講習試験を開始できる見込みである。 報告事項、議決事項はすべて満場一致で承認された。 同日の理事会で2021年度新役員が決まった。2021年度役員新任は次の通り。▽筆頭副理事長 雨宮明(常勤)▽理事 長谷川久晃(ユアテック、東北支部長)▽理事 田中修司(立芝、中国支部長)▽理事 宇佐見正士(一般社団法人日本ケーブルラボ)。 ◇ 一般社団法人日本CATV技術協会は5月19日、2021年度CATV事業功労賞の受賞者および功績等を発表した。表彰式は6月10日、全国社会福祉協議会瀬尾ホールで執り行われた。受賞者の氏名と功績は以下の通り。 ▽【本部・九州】石川哲夫氏(66)(前・一般財団法人研究学園都市コミュニティケーブルサービス副理事長)石川氏は、平成25年から令和2年まで協会の規格・標準化委員会委員長として長きにわたり、CATVに係る標準規格の改定及び報告書の取りまとめに寄与し、また、CATV技術者資格認定委員会委員として資格者の適格な認定に尽力し、業界の円滑な発展及び国民生活の向上に大きく貢献した▽【本部】城野正明氏(66)(九電工取締役副社長執行役員)城野氏は、平成27年から令和2年までの長きにわたり協会の理事・九州支部長として、またこの間、事業推進委員会及び技術者資格の円滑な移行に寄与する等、協会の運営に尽力し、業界の発展及び地位向上に大きく貢献した▽【北海道】村瀬満氏(77)(家庭サービス社代表取締役)村瀬氏は、昭和45年から長きにわたり、小樽・後志地域の自主共聴施設の設備工事と保守業務に従事し、地上放送のデジタル化に当たっては円滑な移行に寄与し、また協会北海道支部の技術・施工部会長として業界の発展及び地位向上に大きく貢献した【東北】小野寺純氏(60)(東北テレビ工事代表取締役社長)小野寺氏は、昭和57年から長きにわたり、東北地方のテレビ受信障害のコンサル、改善・対策工事に従事し、平成27年からは協会東北支部の幹事・施工副部長として「マンションの4K8Kに関する調査研究」の取りまとめに尽力し、業界の発展及び地位向上に大きく貢献した▽【関東】野口哲雄氏(66)(ジェー・エヌ・エス代表取締役)野口氏は、昭和63年から長きにわたり、関東近郊の電力送電線や建造物等のテレビ受信障害、難視聴地域の共聴施設の構築に携わり、スカイツリーやデジタル移行に伴う電波障害に尽力した。また、協会理事、関東支部幹事、副支部長として業界の発展及び地位向上に大きく貢献した▽【中国】山口徹也氏(46)(イワブチ㈱広島支店長)山口氏は、平成9年から長きにわたり、送配電、通信・放送関係機器の製造販売等に尽力するとともに、平成29年からは協会中国支部会計監事として、支部運営に的確な提言を行い、支部財政の改善を図る等、業界の発展及び地位向上に大きく貢献した▽【四国】村上徹氏(56)(マスプロ電工高松営業所参与)村上氏は、昭和60年から長きにわたり、テレビ電波障害防止に従事するとともに、平成16年から愛媛県内のアナログ周波数変更対策工事に寄与し、地上デジタル放送の円滑な移行に尽力した。また「四国地域避難所等電波受信調査」の実施に寄与し、業界の発展及び国民生活の向上に大きく貢献した。 併せて、第33回ケーブルテレビ功労者表彰の受賞者である小池不二男氏(一般社団法人日本CATV技術協会前専務理事)に表彰状が授与された。同氏は、2015年から2020年まで協会専務理事として協会の重責を担い、組織強化と協会運営の充実に尽力するとともに、ケーブルテレビに関する新技術の調査研究の推進、CATV技術者育成の促進、ケーブル技術ショー企画運営など、様々な協会活動を通して、ケーブル業界および当協会の発展に大きく貢献した。また、原子力災害対策特別措置法に基づき規制された区域へ帰還する住民を対象としたデジタル受信相談・対策事業を行う「総務省福島原発避難区域テレビ受信支援センター(デジサポ福島)」の復興本部長として、共同受信施設のデジタル化や、共同受信施設設置およびケーブルテレビ加入などによる受信対策事業を統括し、地デジ移行対策を推進するなど、地上デジタル放送受信環境を整備した。協会専務理事5年を通して、ケーブル業界を技術面から牽引する立場から活躍し、ケーブルテレビ業界の発展に多大に貢献した。
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