パナソニック 超解像30倍ズーム搭載HDリモートカメラ
パナソニックは、リモートカメラの新製品「AW―HE75W/K」に伴い記者説明会を開催した。 パナソニックがリモートカメラを発売してから、2018年末に10周年となっており、メディアエンターテインメント事業部 プロフェッショナルAVマーケティング部の宮沢哲也氏は「『リモートカメラ』発売10周年の軌跡」を紹介した。リモートカメラは離れた場所から、複数のカメラを集中管理や操作が可能で、天吊りを含め様々な場所に設置することができる。このため、放送だけでなく、議会場やイベント/コンサートホール、お天気カメラ、結婚式場、講義、スポーツ施設など、多様な用途に用いられている。 パナソニックのリモートカメラは、放送で培ってきたセンサやレンズ、画像処理などのノウハウにより放送クオリティの画質を実現。また、カメラと回転台が分離していた二体型から通算すると20年以上にわたる実績により、高い操作性と円滑な駆動に定評がある。さらに、IPにもいち早く対応し、IPによる柔軟な運用性を実現している。 これまでの10年間で、パナソニックは、ワンアーム一体型、IP制御、IP制御&映像伝送、IP制御&AV伝送&PoE電源、4K/60P 12G―SDIなど、多くの業界初を実現した製品を投入してきた。これらが高く評価され、リモートカメラ市場(2017年度)において金額ベースでは30%、台数デースでは20%のシェアを築いている。 今回発表したAW―HE75W/Kは、1080/60p 3G―SDI出力に対応した回転台一体型のHDインテグレーテッドカメラ。3つのズームレンズと1つのフォーカスレンズが同時に独立して駆動する4ドライブレンズシステムや、1/2.3型MOSセンサを搭載している。リモートカメラの解像度はじょじょに4Kが増えているが、ワールドワイドで見ると4Kは10%程度で、HD(2K)が90%を占めている。このため、新製品は「主戦場であるHDのラインナップ強化を目的に開発された」(宮沢氏)という。 AW―HE75W/Kは、様々な特徴を有しているが、特に高精細レンズによる高画質ズームを挙げている。上位機種の高精細レンズをHDのミドルレンジモデルに採用し、光学20倍+長解像度技術により高解像度かつ高感度ズームを実現している。従来製品とのズーム画質の比較を行い、30倍ズーム時でも画質が劣化しにくく、ディティール感が良化している。また、レンズのF値が従来のF1・6~4・7から、F1・8~3・6に向上しており、30倍ズーム時で明るさが160%良化している例も示した。 また、3G―SDI/HDMI/USB/LAN出力に加え、GENLOCKにも対応しており、多彩なI/Fにより様々な用途に対応できる。安定した映像の撮影を可能にする光学式/4軸ハイブリッド画揺れ補正(OIS)を装備し、ドアの開閉や、設置されている音響機器から生じる取り付け面の振動を検知して、光学式と電子式の両方の4軸で自動補正することで、映像のブレを軽減。これにより、音楽イベントなど、振動が発生するシーンでもよりブレの少ないクリアな映像を実現する。 さらに、ワイドアングル撮影(広角水平:65.1度)が可能で、ないとモード(自動切替対応)やハイダイナミックレンジ(HDR)モードを搭載している他、自動追尾ソフトウェアを使用することで講義やイベント映像を円滑に撮影することができる。 コネクテッドソリューションズ社 メディアエンターテインメント事業部 プロフェッショナルビデオカテゴリーオーナー 大西浩之氏が「今後、カメラ単体の進化だけでなく、どのようなアプリケーションで、どう使っていくということに注力していきたいと思っています。次のカメラをどうするかではなく、お客さんが何をしたいか、それに必要なカメラは何か、ソフトウェアは何かを考えていきます」と述べた。 AW―HE75W/Kの希望小売価格(税別)は各49万円。なお、同製品は、2019年6月12日(水)~14日(金)まで米国・フロリダ州オーランドで開催されるオーディオ・ビジュアル総合展示会「InfoComm 2019」に出展する。
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