須高ケーブルテレビなど、ケーブルCFで「ABMORI」の資金調達

 須高ケーブルテレビ(STV、長野県須坂市、丸山康照社長)とABMORI実行委員会(事務局・長野県山ノ内役場農林課)は、日本デジタル配信(JDS、東京都渋谷区、河村浩社長)が提供する、IP―VODサービス「みるプラス」を利用して、「ABMORI2018」のイベント運営資金の一部を調達する「ケーブルCF」を開始したと発表した。 3月1日よりケーブルCFウェブサイトでの資金調達は実施しているが、ケーブル業界でしかできない「みるプラス」での資金調達も開始した。「みるプラス」の「ケーブルCF」では、支援金をケーブルテレビの視聴料とあわせて支払いができ、プロジェクトのオリジナル動画が返礼品として視聴できるクラウドファンディングとなっている。 5月8日にSTVの視聴者よりケーブルCFでの受け付けを開始し、複数のケーブル事業者も協力することで、全国のケーブルテレビ視聴者からの支援を受け付けている。 「ケーブルCF」とは、全国のケーブル事業者が自治体と共同で各地域の団体や企業をサポートし、地域に密着して、プロジェクトの運営資金をクラウドファンディングで調達できるようにする活動。 クラウドファンディングとは、「Crowd=群衆、Funding=資金調達」という言葉を掛け合わせた造語。 STVは、地域に密着した放送・通信・文化活動事業を積極的に展開し、山ノ内町において6月に開催される「ABMORIプロジェクト」にも実行委員会の一員として参画している。今回のケーブルCFにおいては、ABMORI実行委員会との調整業務に加え、ABMORIプロジェクトに関するケーブルCFの各種プロモーション番組を制作し、Facebook等のSNSだけでなく、自社および全国ケーブルテレビのメディアを活用したプロモーション活動を展開していく。 また、昨年9月には長野県小布施町で開催されたスラックラインワールドカップでも大会運営費の一部を調達するため、ケーブルCFを活用し、目標設定額を達成した実績もある。 JDSは、ケーブル業界におけるプラットフォーム事業者として、ケーブルIDを活用した「ケーブルCF」のABMORI実行委員会と支援者をつなぐマッチングおよび支援金の決済システムの構築と運用を行う。 「ケーブルCF」では、今後、視聴者がケーブル事業者が制作したテレビ番組を視聴しながら、テレビ画面上で決済できる仕組みを実現するなど、地域力、メディア力などを活用したケーブルテレビならではのクラウドファンディングとして、地域活性化に貢献できるようさらなる発展を目指す。 「ABMORI」とは、歌舞伎俳優の市川海老蔵氏の提案により「いのちを守る森」づくりとして、信州・志賀高原の閉鎖スキー場を自然豊かな森に戻すため、苗木を植樹する活動として2014年から始まったもの。日本を代表する生態学者の宮脇昭氏の監修のもと、海老蔵氏の呼びかけに賛同する多くの手で2014年から毎年1000人以上が参加し、1万本の植樹を実施している。 今年で5回目を数えるABMORIは、「植える」活動にとどまらず、ドングリを播き、苗を育て、植えた苗の成長を見守る活動へと広がっている。