池上通信機 中型4K/HDルーティングスイッチャー

池上通信機は、4K/HDルーティングスイッチャー「UHSM―120120」、SDI/IP変換ゲートウェイ「IMR―200」、オーディオプロセッサー「DAF―040」を発表した。 「UHSM―120120」は、4K/HDルーティングスイッチャー「UHSMシリーズ」の新たなラインアップで、マトリクスサイズ120×120を11Uサイズで実現し、マトリクスサイズ220×220、16Uサイズの大型ルーティングスイッチャー「UHSM-220220」のラインアップ製品として開発した。主に小規模から中規模のスタジオサブ、報道サブ、中継車、ライブスイッチングなどの現場で、お客様のご要望を実現するシステムソリューションを提供する。 全入出力ポートは1・5G/3G/12G―SDI信号に対応し、4K/HDマルチフォーマットを標準仕様としている。標準搭載のAVDL機能によりカット切り替えでの本線送出も可能で、HD(1・5G―SDI)入力にはFS機能も標準搭載している。マトリクスの入出力に映像変換機能をオプション装備しており、カラーコレクタ、ガンマ、色域変換は全入出力に搭載可能。また、4K/HD(3G-SDI)にはFS機能、解像度変換を全入出力の半数の系統に搭載可能。(ソフトウエアオプション)拡張マトリクスにマルチビューワー機能、あるいはダウンストリームキー機能を追加搭載することが可能。マルチビューワーはHD 64入力8分割画面出力のモジュールを最大4式搭載でき、分割画面としては最大32系統出力する。4K解像度での分割画面出力にも対応し、最大8系統出力する。ダウンストリームキーはHDで最大16チャンネル、あるいは4Kで4チャンネル提供可能。2023年10月発売開始の予定。 同軸ケーブルを用いたSDI(Serial Digital Interface)による映像伝送に対して、4K/8Kなどの高精細映像を扱う必要性の高まりと、同軸ケーブルの高周波特性の限界、Ethernetの圧倒的な速度向上を背景に、複数の映像や音声信号を集約して双方向通信を行う、IP(Internet Protocol)伝送への期待が高まっている。特にライブシステムを実現するIP環境を実現するものとして期待を集めているのが、SMPTE ST 2110規格。 「IMR―200」は、SDIとIP間のプロトコル変換を相互に行うゲートウェイです。SMPTE ST 2110規格に従って高精度な同期を維持しながら、映像、音声およびそれらに付属するデータを個別のストリームとして効率良くIP伝送し、現在多く見られるSDI環境とIP環境が混在する番組制作システムにおいて、それらを連携させたSDI/IPハイブリッド化を実現する。 SMPTE ST 2110規格に準拠(ST2110―10/20/21/30/31/40)し、AMWA NMOS IS-04/05に対応する。筐体は、ラックマウント1U、奥行500mm。スペースが限られた中継車への搭載も可能。1筐体で、HD映像に対してSDI→IP 16本、IP→SDI 16本を同時に変換、または UHD映像に対してSDI→IP 4本、IP→SDI 4本を同時に変換する。2023年3月に発売開始の予定。 「DAF―040」は、テレビスタジオや中継車システムへ提供してきた音声機器であるオーディオルーター DAFシリーズを刷新し、音声のルーティングとミキシング処理を行えるオーディオプロセッサー。2Uの棚板で全16スロットの音声I/Fを装備し、最大1536×1536(モノラル音声換算)のルーティング機能を有する。ユーザーのニーズに応じてAES-3id信号、MADI信号、SDIエンベデッド信号、アナログ音声信号などの入出力に対応する各種音声I/Fモジュールを選択することができる。 AES―3id、SDI入力には全系統SRC(Sample Rate Converter)を掛けることができる。全出力系統でモード、DIM、CUT、バランス、レベル調整の音声処理が可能。ミキサーを標準で内蔵し、その入出力と背面I/Oスロットの音声入出力と合わせて、すべて任意にルーティングする。背面I/Oスロットを介さずに、マトリクス出力をマトリクス入力に戻す内部取り回しも可能。 クロスポイント切り替えでは、フェードアウト、フェードインを行い、切り替えノイズをカットする。ミキサーは入力48ch(ステレオ)、ミックスバス92ch(ステレオ)とし、Delay、LPF、HPF、EQ、Expander、 Compressorのエフェクトを内蔵している。ミキサーボードを2枚まで実装でき、系統数を2倍にするか、二重化動作にするか選択することができる。2022年11月発売の予定。 いずれも2022年11月16日(水)から11月18日(金)まで幕張メッセで開催された「Inter BEE2022」に出展した。また、「IMR―200」は、同展のInterBEE IP PAVILION 「制作サブ」でも使用された。