「V―Grade」

三井光機製作所&システム・ツー・スリー 8K対応の可変 ND フィルターを開発

三井光機製作所(東京都杉並区、三井辰郎社長)は、システム・ツー・スリー(東京都葛飾区、小泉修一社長)と共同で、世界初となる世界最高水準の性能を実現した、8K スーパーハイビジョンカメラ対応の可変 ND フィルター「V―Grade」を開発したと発表した。価格はオープン(各タイプ共カスタマイズを伴うため仕様により価格を設定)。受注開始は2023 年 12 月頃の予定。また、三井光機製作所は、NHK放送技術研究所(NHK技研)とコラボレーション(研究相互協力を締結)し、可変NDフィルターの性能評価を実施している。
超高精度テレビジョン(4K・8K)カメラが普及する中、従来のアイリス(絞り)による光量調節では、絞ると解像度が劣化する問題(いわゆる小絞りボケの影響)がクローズアップされている。この問題に対し現行では、1枚のターレットディスクに複数枚の透過率が異なるNDフィルターを装着し、被写体の明るさに応じてアイリスを変化させずにNDフィルターを切り替えて光量を調整するターレット方式が、一般的に使用されている。しかし、このターレット方式では、必要な濃度へ切替える際、フィルターを回転させることにより、ターレットディスクの不透明部分が映像に映り込み、映像品質が劣化する不都合がある。また、超高精細度の4K・8K撮影時には、充分な解像力を維持できる絞り値の範囲が、現状HDと比較して極めて狭く、さらにターレットの切り替え頻度が高くなり、効率的で多様な撮影への対応が難しい状況となっていた。(全文は10月13日に掲載)