イマーシブオーディオ

NHKテクノロジーズ 多様な技術を分かりやすく紹介

NHKテクノロジーズ(NT)は、国際放送機器展「Inter BEE 2023」に昨年と同様にNHKエンタープライズ(NEP)と共同出展した。
今回のNTの展示は6項目。同社では様々な技術を扱っているが、分かりにくいものもあるため、説明員ができるだけわかりやすく説明するよう心がけたという。
オーディオ関連では、NHKテクノロジーズが取り組んでいるイマーシブオーディオに関するサービスを紹介した。ブースでは 22・2ch音響MPEG―H 3D Audioコンテンツを5・1・4ch とバイノーラルで再生するライブデモを実施する他、制作ツールやスマートフォン視聴を展示した。この他、小型OCTA MICも紹介した。様々なイマーシブオーディオ制作に対応可能なイマーシブオーディオ収音マイクで、オーディオテクニカと共同開発したもの。可搬性と音質に優れ、すでにNHKの音楽番組など多くの場面で使用されているという。
「MR業務訓練システム」(拡張現実/MR)は、「HoloLens2」を使い、放送設備の実践的な訓練を時間や場所を気にせずにMRで行なえるシステム。HoloLens2は、マイクロソフトが開発した非接続MRヘッドセット。ブースではNTが所有するIP中継車「4K―OB1」をMRで再現、実際の中継車内での卓の操作をリアルサイズで実体験できた。また、3D化できる端末であればどんなものでも応用がきくため、様々な用途に展開が可能という。ブースでは多くの来場者が同システムを体験していた。
「リニア編集シンクロナイザー」は、現在もスタジオ設備に多く導入されているリニア編集機をIP対応としたシステム。PC制御機能ベースのノンリニア編集機でもアプリで対応することは可能だが、より自然で操作しやすい環境を実現するため開発した。PC制御機能かつIP対応によりリモートプロダクションができる他、見慣れたGUIを実現し多彩なデバイスとの接続が可能。VTRコントロール部分をIPハードウェアに実装しており、ハイブリッド編集によるインサート編集(部分手直し)も可能。(全文は12月21日付3面に掲載)

この記事を書いた記者

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成澤誠
放送技術を中心に、ICTなども担当。以前は半導体系記者。なんちゃってキャンプが趣味で、競馬はたしなみ程度。