「技研公開2024」5月30~6月2日開催
NHK放送技術研究所(技研)は、最新の研究開発成果を一般に公開する「技研公開2024」を、
5月30日(木)から6月2日(日)まで開催する。
放送技術研究所は日本唯一の放送技術分野を専門とする研究機関。未来を見据え、放送技術分野の基礎から応用まで幅広く取り組んだ研究開発の成果を紹介する。
今回は「技術で拓くメディアのシンカ」をテーマに、技研が目指す「Future Vision 2030―2040(2024年度版)」の3つの重点領域や、直近の課題解決に貢献しメディアを支える研究成果などを29項目の展示で紹介する。
放送メディアの「真価」を高める、技術の「深化」と「進化」を見ることができる。
主な見どころとしては、研究の進捗や放送メディアを取り巻く環境の変化、デジタル技術の急速な発展などを考慮して改訂した「Future Vision 2030―2040」2024年度版を紹介する。
映像の説明テキスト生成技術では、文字認識、顔認識など複数の要素技術を組み合わせて映像の内容を説明するテキスト(メタデータ)をAIで自動生成する技術を紹介。
イマーシブメディア 関連では、ARグラス型ニュース提示システムは、ARグラス越しに見えるユーザー周辺の空間に、多くのニュースを一覧性高く配置して、記事を探索・閲覧するシステムを体験できる。さらに、関連性の高いニュース同士が近くに配置され、複数のユーザーに同じ場所で同じ情報が見えるように提示される様子を見ることができる。懐かしの造形教育番組「できるかな」をモチーフに、イマーシブメディアが実現する未来の番組視聴を体験できる。
ユニバーサルサービス関連では、コンテンツの信頼性を高める来歴情報提示技術を展示。偽情報・誤情報の対策として、コンテンツの出どころや制作過程を表す「来歴情報」を記録・提示する技術を紹介する。コンテンツの出どころや認証に関する国際標準化団体C2PAが策定する技術仕様に準拠した動画視聴プレーヤーを展示する。
基礎研究により未来のメディアを創造するフロンティアサイエンスでは、自由に変形できるディフォーマブルディスプレーを紹介。ゴム基板上に伸縮配線とLEDを形成したディフォーマブル(変可能)ディスプレーを展示。昨年は単色のディスプレーを展示しましたが、今回はカラー化し、鮮やかになったディスプレーを手に取ってみることができる。
技研講堂では、2024年度版として改訂した「Future Vision 2030-2040」に関する基調講演と、3つの重点領域の研究紹介を5月30日(木)・31日(金)で上映するほか、6月1日(土)・2日(日)にはファミリー向けのイベントも開催する。(全文は5月15日号3面に掲載)
この記事を書いた記者
- 放送技術を中心に、ICTなども担当。以前は半導体系記者。なんちゃってキャンプが趣味で、競馬はたしなみ程度。
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