A―PAB 法隆寺や長岡花火大会などアワード受賞
一般社団法人放送サービス高度化推進協会(A―PAB)は18日、昨年開始した「スゴいぞ、4K・8Kキャンペーン」の一環として開催した「A―PAB 4K番組アワード」の授賞式を実施。また、NHKおよびBS民放5社(BS日テレ・BS朝日・BS―TBS・BSテレ東・BSフジ)による「BS4K8K衛星放送を見ようよ!」共同キャンペーンでは、昨年誕生したばかりのキャラクター「ヨンハチさん」も登場し、4K8K衛星放送の魅力と各局のキャンペーン番組を紹介した。今回はアワードの最優秀作品を紹介する。
ドラマ部門の最優秀作品はWOWOWの「連続ドラマW フィクサー Season1」。同社コンテンツプロデュース局ドラマ制作部プロデューサーの村松亜紀氏は「大変名誉ある賞をいただきありがとうございます。WOWOWでは2008年に連続ドラマWをスタートいたしまして、そのときご一緒した今回脚本家である井上由美子さんとまた再びタッグを組んで作り上げたのがこの作品です。
それから連続ドラマずっと作り続けて15年経ったんですけれども、テレビの視聴環境も大きく変わる中、この数年で本当にいろんなクオリティの高いドラマ楽曲を作られている中で、WOWOWとしてどういうドラマを作るべきか、その力をどこまで突き詰められるかっていうことも考えながら真摯に作り上げたと自負できる作品です。
映像関連で申し上げますと、このフィクサーという作品のテーマが物事の裏表であったり、人間の裏表も一つとしておりますので、それぞれの登場人物たちのチームでコントラストを含め照明とかグレーディングを本当にこだわって作った作品だったので、このように評価をいただけて本当にありがとうございます」とコメントした。
紀行・ドキュメンタリー部門の最優秀作品はBSフジの「令和の法隆寺~千四百年の伝承と聖徳太子の残響~」。制作会社のMBS企画 番組プロデューサー喜友名早紀氏は「ありがとうございます。私はこの番組制作当時アシスタントとして演出とともに番組制作に携わっていたんですけど改めてもう4年も前の作品なので、なぜこの作品が最優秀賞に選ばれたのかと思い、この前に見返してみたのですが、2時間の番組なんですが、見終わった後に、なぜか心が穏やかな気持ちになりました。聖徳太子の『和を以って貴しとなす』という言葉が、頭ではなくて心の中にスーッと入ってくるようなものを感じられましたので最優秀に選んでいただいたのかなと思っております。本当に協力いただいた法隆寺の皆様、出演いただいた方々に感謝の気持ちを申し上げたいと思います」と述べた。
ライブエンターテイメント部門の最優秀作品はNHK、NHKグローバルメディアサービスの「大迫力!長岡の大花火2022スペシャルライブ」。NHKグローバルメディアサービス茂木明彦氏は「お話をいただき100人近いスタッフ一同、本当に嬉しく思っています。長岡の花火は毎年8月2日と3日の2日間にわたって行われる大会ですが、その前日の8月1日に長岡空襲があり、家や平和への祈りが大きなテーマとなっています。長岡花火の大きなトピックにフェニックスがありますが、これは2004年の中越地震を受けて翌年から始まりました。当時花火師さんの多くも含めて沢山の人々が避難生活を余儀なくされ、全国からたくさんの支援が送られたことに感謝して目標を募って始まったのがきっかけでした。当時私はNHKの新潟局に勤務していまして、この2005年の大会を生中継したのが長岡花火との出会いでした。
今回受賞した2022年の大会は、コロナ禍の影響で3年ぶりの開催となったとともに、ロシアのウクライナ侵攻が始まった年で、花火師さんはフェニックスにウクライナカラーを取り入れるなどして、一日も早い平和への祈りを込めています。多くの人々の思いとか、花火の美しさ、迫力をそのまま何とか届けられないかということで、映像は8KHDRでロングにこだわりました」とコメントした。
短編映像部門の最優秀作品は関西テレビ放送の「つくるということ」。同社 制作技術センター 専門部長の矢野数馬氏は「(贈られた)この盾は能登の職人さんが作られたと伺ったんですが、本当に大変な重みを感じております。蒼井優さんを始めとするキャスト、スタッフなど全ての関連者に感謝いたします。この度はどうもありがとうございました」とコメントした。
(全文は6月24日号3面に掲載)
この記事を書いた記者
- 放送技術を中心に、ICTなども担当。以前は半導体系記者。なんちゃってキャンプが趣味で、競馬はたしなみ程度。
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