パナソニック コネクト、リモートプロダクション推進を加速

パナソニック コネクトは10月25日、放送事業説明会および映像音響新製品発表会を開催した。冒頭、同社映像メディアサービス本部 マネージングディレクターの梶井孝洋氏は国内放送事業について、ワークフローを確信するため最適な商材・ソリューションを提供し、場所や人をつなげシェアすることで多様化する視聴ニーズに対応するとした。
国内民間放送局における制作サブでのシェアは35%で、ニュースサブでは同38%といずれも国内トップ。ファイルベースでも同38%と高いシェアを有している。
主力の「KAIROS」は、リモートプロダクション、リソースシェア用途での活用拡大により、着実に導入が広がっている。現在、来年度以降の納入予定を含み、オンプレミスで累計52社・109式を受注、クラウドソリューションでは同30社・86件を契約(イベント利用)している。
以前より展開してきた放送局向けも徐々にだが、増えてきている。スタジオのIP化では、静岡第一テレビ、宮城テレビ放送が導入。スタジオ間のリソースシェアなどではテレビ大阪、テレビ北海道が導入した。さらに、中継車レスと放送局間のリモートプロダクションの運用を行うケースも出てきている。今年の東北絆まつり2024仙台において、仙台放送、秋田テレビ、さくらんぼテレビジョン、福島テレビが1つの中継システムで複数局による同時スイッチングを実現した。この他、中継車レスをクラウドで実現して機材を最小化し効率化を図る目的で、青森放送や秋田ケーブルテレビが導入している。
KAIROSは、オンプレでは機能の強化を実施。スマートルーティング機能は映像取り込みとアイドル状態を自動的に切り替えることで、より多くの入力ソースを仮想的に扱える機能。リソースシェア(ユーザーロール機能)は1台のKAIROS Coreを共有し、複数ユーザーで操作する場合、他のユーザーの操作を排除が可能。
クラウドソリューションでは、コストパフォーマンスを重視するユーザーには「KAIROSクラウドソリューション ライト」、高度な映像制作をしたいというユーザーには「KAIROSクラウドソリューション」のラインアップを用意、12月から提供する。
さらに、テクノロジーパートナーを5社増やしており、共創パートナーと持続的なソリューションの進化を目指す。

(全文は11月1日号3面に掲載)

映像メディアサービス本部 マネージングディレクターの梶井孝洋氏

この記事を書いた記者

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成澤誠
放送技術を中心に、ICTなども担当。以前は半導体系記者。なんちゃってキャンプが趣味で、競馬はたしなみ程度。