光和 2025最新映像機器内覧会を開催

光和はこのほど「2025 最新映像機器内覧会」を開催した。多数の関係者が来場し、会場は熱気に包まれていた。
注目はAbsenの透過型LEDの「JP5 V2」。まだ正式リリース前の新製品であり、世界初出展になるという。また、同LEDには「ISEには出展しません」との表記もあった。ISE(Integrated Systems Europe)は統合型オーディオビジュアル関連機器の展示会で、多くのメーカーが新製品をISEで初披露する場となっている。今年は4月にスペイン・バルセロナで開催予定だが、AbsenはISEに出展するものの、目玉となるJP5 V2は展示しないという。光和最新映像機器内覧会を優先した形になるが、これは光和の木村浩取締役レンタル本部営業統括部長の熱意と、長年にわたるパートナシップがなせる技だと感じた。
JP5 V2はピッチが5㍉であるにも関わらず、透過率70%を実現した次世代透過型LED。これにより、コンサート・ライブなどで新たな映像表現や演出を実現できるという。また、パネル重量は600×1200パネルで5・8㎏(見込み)と超軽量化も実現している。リフレッシュレ―トは7680Hzと超高速。さらに、透過率を高める計画で、2025年秋頃の発売を予定。
Absenはこの他、大型LEDディスプレイ「SA1・9」も展示した。同LEDは1・9㍉ピッチで、レンタル&ステージ向け屋内軽量LED。輝度1500nit、階調16ビット、リフレッシュレート7680Hzを備えている。消費電力は440W。

「JP5 V2」(Absen)

「JP5 V2」(Absen)

裏から見ると透けているのが分かる

裏から見ると透けているのが分かる

AOTOは屋外用LED「SW5・7」を展示。同LEDは、144Hz対応、高リフレッシュレート7680Hz、輝度は6000nitsと高い。コモンカソード技術により低消費電力を実現する。消費電力は最大350W/キャビネット
この他、屋内用LED「CVMS0・9(MIP)/CVMS1・2(MIP)/CVMS1・5(MI P)/CVMS1・8(MIP)」を展示した。いずれもコントラスト比35000:1で、視野角160度プラスマイナス10度。AI省エネ技術を搭載している他、現地での修理にも対応するモデル。
ま た、仏Smodeのメディアサーバ「OCTA」も実機展示した。Smodeはリアルタイムにコンテンツを作成するソフトウェアとメディアサーバの機能を一つにしたツール。コンテンツ作成から、シミュレーターを用いたプリビジュアライゼーション、プロジェクター/LEDディスプレイへの映像送出まで、ショーコントロールに必要な全ての機能を一つのプラットフォームで行うことができる。

AOTOのLED

 AOTOのLED

SmodeはNDIVIAのGPUを搭載したWindows PCで動作するため、携帯性を求める場合はゲーミングノートPCでよいが、処理負担が高いコンテンツ向けにはプロユースのオフィシャルサーバを用意している、OCTAはフラッグシップモデルで、GPUはNVIDIA RTX 6000ADA(ユーザーインターフェース用に同4000ADAを搭載)、SDI入力は計12(12G×6、3G×6)、HDMIは入力×4(4K)を備える。

パナソニックは、発表したばかりの4Kプロフェッショナルカメラレコーダー「AG―CX20」を実機展示した。 また、透明OLED「TP―55ZT210」も実機展示した。55型フルカラー有機ELパネルにより透明でありながら高精細で明瞭な表現を実現する。透過率は40%片面視認。フレーム付きのため堅牢性を確保できる他、配線なども収納することですっきりとした佇まいを実現する。色はホワイトとブラックの2色展開をしている。

パナソニックの透明OELD

パナソニックの透明OELD

朋栄は「インパルス」を紹介した。多様化するコンテンツ視聴形態に対応しながら、省力化や制作効率の改善が求められている現在、「映像制作におけるDX」が制作現場での共通課題となっている。朋栄は、これまで開発してきた各種専用機器の機能をソフトウェア化し、これらを共通プラットフォームに集約させるとともに、朋栄が提供する各種機器とも連携することができ、フレキシブルに構成変更が可能な新たなライブ制作ワークフローを実現する。

 

「インパルス」(朋栄)

「インパルス」(朋栄)

この記事を書いた記者

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成澤誠
放送技術を中心に、ICTなども担当。以前は半導体系記者。なんちゃってキャンプが趣味で、競馬はたしなみ程度。