ソニー、次世代ディスプレイシステムを開発

 ソニーは、高密度LEDバックライトをR(赤)、G(緑)、B(青)の色ごとに個別に制御可能なRGB独立駆動パネルを採用し、大画面化にも適したディスプレイシステムを開発したと発表した。
 このパネルは、各色が独立して発光するため、色の純度が高く、映像をより鮮やかに広色域で再現できる。
 また、パネルの特性を最大限に引き出すために、ソニーが独自に開発した最新のバックライト制御技術を搭載している。この技術により、大画面でも画面の隅々まで繊細な色合いと光の濃淡を忠実に再現する。映画などの映像作品では、物語性のある表現を実現するために、色彩や黒の表現、光の階調の細やかさが重要な要素となる。
 同ディスプレイシステムは、これらの要素を高めることでクリエイターの意図を忠実に反映でき、映画制作および家庭での映画視聴にも適した画質を提供する。
 同社は、色彩調整(カラーグレーディング)に用いるプロフェッショナルモニターや、リファレンスモニターとして活用されるブラビアを通じて、長年にわたり映像制作現場を支援してきた。そこで得た独自の経験と技術的な知見を活かし、同ディスプレイシステムを開発している。
 同システムは2025年中に量産を開始し、家庭用テレビやコンテンツ制作用ディスプレイへの搭載拡大を目指す。
 同社は、2004年に世界初のRGB一括駆動LEDバックライト搭載液晶テレビを開発した。それ以来、バックライト制御の精度向上に継続的に取り組み、その経験からLED素子の特性を熟知している。
 同ディスプレイシステムの開発においても、独自のバックライト制御技術がパネルの性能を最大限に引き出すことに貢献している。(全文は3月19日号3面に掲載)

従来のLEDバックライトシステム

従来のLEDバックライトシステム

新RGB立独駆動LED
バックライトシステム

新RGB立独駆動LED
バックライトシステム

この記事を書いた記者

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成澤誠
放送技術を中心に、ICTなども担当。以前は半導体系記者。なんちゃってキャンプが趣味で、競馬はたしなみ程度。