2024年11月18日(7743号)
相次ぐ強盗事件などの発生をきっかけに、SNSやインターネット掲示板を通じて犯罪の実行者を募集する、通称「闇バイト」が注目を集めている▼闇バイトは、「高額報酬」や「即日入金」などをうたい文句に応募してきた人物の個人情報を入手し、そこから得た情報を基に強盗などの犯罪に手を染めさせるといった特徴がある。多くは犯罪の実行犯に据え置かれ、事件の発覚時には容赦なく切り捨てられるのが実態という。警察庁の発表によると、闇バイトへの注意を呼び掛ける動画を公開した10月中旬から11月上旬にかけて、全国で実際に応募した人や家族などから相談があり、このうち46件を保護したという▼こうした中、NTTコミュニケーションズが自社の開発者ブログで公開した実際の闇バイトの募集手口が話題となっているという。ブログでは、特殊詐欺の実行役である「受け子」や「出し子」、「かけ子」をにおわせる業務内容の募集や、SIMカード、電話番号の契約代行、銀行口座の買い取りといった依頼文書の内容を公開すると共に、犯罪に加担した場合の危険性や闇バイトの募集検知に向けた取り組み事例、警察をはじめとした相談先なども記載して注意を喚起している▼政府広報によるキャンペーンもあり、徐々に実態が明るみになっている印象だが、まだまだ氷山の一角。何より重要なのは自己防衛に向けたリテラシーの普及だろう。(K)