スカパーJSAT、横浜衛星管制センターに イノベーションラボ

 スカパーJSAT(東京都港区、米倉英一代表取締役執行役員社長)は、11月1日付で、横浜衛星管制センター(YSCC)内に非地上系ネットワーク(NTN)の技術検証環境「Universal NTNイノベーションラボ」(NTNラボ)を構築した。「Universal NTN」は、静止軌道(GEO)衛星、非静止軌道(non―GEO)衛星、さらに高高度プラットフォーム(HAPS)などの非地上系の通信インフラを融合し、ユーザーが意識することなく、いつでも、どこでも最適な通信経路へシームレスに自動で接続できることを目指す、革新的な非地上系ネットワーク。「NTNラボ」は、この「Universal NTN」の実現に向けた技術試験の拠点として、5G NTN技術を中心に、衛星などを活用した新たな通信技術の発展を支える。
 5G NTNは、地上系と非地上系のネットワークの連携を容易にし、世界中のあらゆる場所や空間で通信インフラを強化できる次世代の通信技術として期待されている。「NTNラボ」は、3GPPによる5G NTN標準化に対応した技術試験などを自社で行う環境として、新たに構築した。スカパーJSATが保有する静止衛星とYSCCの設備を活用し、NTN技術の商用化に向けた技術基盤の構築を目指す。
 「NTNラボ」は段階的に拡張予定であり、まずは、スカパーJSATの衛星や設備を活用し、パートナー企業の協力を得ながら5G NTNの基礎技術の検証を行い、設備の充足化・高度化を進める。その後、2025年度下期を目途に、さまざまな企業や団体が将来のユースケースに対応した実証試験や技術開発を共同で行えるよう、「NTNラボ」のオープン化を計画している。

写真は 試験で使用する可搬型地球局(VSAT)

全文は12月9日付け4面に掲載

この記事を書いた記者

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田畑広実
元「日本工業新聞」産業部記者。主な担当は情報通信、ケーブルテレビ。鉄道オタク。長野県上田市出身。